楽天と西友、横須賀市は3月23日、馬堀海岸地域において、自動配送ロボットが「西友馬堀店」で取り扱う商品を配送するサービスを3月23日から4月22日まで提供すると発表した。自動配送ロボットによる公道走行は、2021年1月にZMPが実施しているが、ロボットが公道を使ってスーパーから商品を配達するのは国内初という。
同サービスは、スマートフォンで注文した商品に加え、店舗で購入した商品の無人配送に対応。サービス提供曜日は、火曜日と木曜日の計10日間。受付時間は、10時から15時半までで、1日の配送枠は11時から16時まで1時間毎に設けられている。配送料は無料、生鮮食品や要冷蔵・冷凍食品、割れ物などは対象外だ。
アプリの場合は、西友の商品約400点(米や飲料、菓子、調味料、日用品)の中から選択でき、配送先住所と配達時間帯を指定して注文する。その後、店舗側で商品をピックアップしてロボットに詰め込むと、あとは自動で配達先まで走行する。ユーザーの自宅前に到着すると電話で通知。商品受け取り後は自動で店舗まで戻る。
ロボットはパナソニック製で、赤い楽天カラーを纏う。高さは115cm、幅65cm、最大積載量30kg、最高速度4km/h。自動走行時は、人や物を自動で回避。有人による遠隔での監視(横須賀リサーチパークを使用)に加え、ロボットの近くを保安要員が随行する。また、公道走行にあたり、国交省からは基準緩和認定、警視庁からは道路使用許可を受けている。
横須賀市長の上地克明氏は、「横須賀は山や坂が多く、高齢者も多い。日常に不便さを抱えながら暮らしている。ロボットのような新しいテクノロジーを駆使して、生活を維持・向上させる必要がある」と、自動配送の必要性を説明。「横須賀市の課題解決に向けて一筋の光がさす。近い将来、横須賀はロボット配送をスタンダードにしたい」と意気込みを語った。
楽天と横須賀市は、2019年7月から2カ月間実施した、猿島へのドローン配送サービスをはじめ、横須賀市の私有地である「うみかぜ公園」でのロボット配送サービスを実施。2020年11月には、両者で包括連携協定を締結しており、ロボット配送以外にも、観光やふるさと納税でも協力関係を築いている。
今後は、自動走行のデータを蓄積し、安全性を確かめながら目標として保安要員無しでの走行を想定。最終的には、人手不足による「物流クライシス」をロボットで解決したいとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」