Facebookは、「Instagram」の13歳未満の子ども向けバージョンを開発しようと検討しているという。BuzzFeed Newsが米国時間3月18日、このプロジェクトに関する社内の投稿とみられる内容を引用して報じた。
Instagramのプロダクト担当バイスプレジデントVishal Shah氏は、「今後、若者を対象とした取り組みをInstagramの優先事項として、最優先のリストに加えたことを発表できてうれしく思う」と従業員向け掲示板に書いたとされている。「若者向けという新しい主軸をコミュニティープロダクトグループ内に作り、2つのことに焦点を当てる:(a)完全性とプライバシーの取り組みを加速させ、10代の若者向けに可能な限り安全なエクスペリエンスを保証する。(b)13歳未満の人たちが初めて安全に利用できるバージョンのInstagramを構築する」(Shah氏)
現在、13歳未満の子どもはInstagramを利用できない。Facebookは2017年より、13歳未満の子ども向けの「Messenger Kids」を提供している。
Facebookの広報担当者は、BuzzFeedの記事の詳細な情報について認めなかったが、声明で次のように述べた。「友達についていけるようにするアプリを利用して良いかどうかと両親にねだる子どもが増えている。現時点で保護者にそれほど多くの選択肢はないため、われわれは、Messenger Kidsのような、保護者が管理する子どもに適した新しい製品の開発に取り組んでいる。Instagramに保護者が管理するエクスペリエンスを導入する手段を模索しており、子どもが友達と歩調を合わせ、新しい趣味や関心などを見つけられるようにしようとしている」
BuzzFeedによると、Instagramの責任者Adam Mosseri氏がこの取り組みを監督し、FacebookのバイスプレジデントPavni Diwanji氏が指揮する可能性がある。Diwanji氏は、Facebookに入社する前、Googleで「YouTube Kids」などの子ども向け製品を統括した経歴を持つとBuzzFeedは報じている。
Instagramのようなアプリは、人々の精神的健康に悪影響を及ぼす側面があるとして数年前から非難されてきた。Instagramは親会社のFacebookとともに、特に若いユーザーに有害なコンテンツを提供する場を与え、不安やうつを助長しているとして、ユーザーや人権擁護団体、議員の批判を浴びている。英王立公衆衛生協会(RSPH)は2017年、Instagramは若者の心の健康に最も有害なソーシャルメディアプラットフォームだとする報告書を公開した。ソーシャルメディアプラットフォームは、ユーザーがいじめにさらされる機会を増すほか、睡眠時間や運動時間を減らすことで、間接的にユーザーに悪影響を及ぼす可能性があるとする研究も報告されている。
Amnesty Techの共同ディレクターRasha Abdul-Rahim氏は声明で、「Facebookは、子どものプライバシーに関して、最も大きな脅威の1つとなる」とコメントしている。「Facebookは、子どもたちのデータを収集し、詳細なプロフィールを利用して収益を上げることになる(中略)子どもたちは、ほかの何よりも子どもたちの関心を引き付けることを意図した扇動的なコンテンツやターゲット広告に翻弄されるままとなる。エンゲージメントを優先させるために、頻繁に偽情報や対立を招くコンテンツを増幅するFacebookのアルゴリズムのなすがままとなる」(Abdul-Rahim氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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