密回避、非接触を徹底する東京ドームのDX--顔認証で決済、もぎりを全廃

 読売新聞東京本社、読売巨人軍、東京ドームの3社は、新型コロナウイルス対策として、密を避け、非接触を徹底したスタジアム作りを始めた。顔認証を使った入場管理や電子チケットの導入など、安心、安全で野球観戦を楽しめる設備を整え、「ジャイアンツ×東京ドーム デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクト」として取り組む。

 ジャイアンツ×東京ドーム デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトは、3月2日にスタート。顔認証システムはパナソニック システムソリューションズ ジャパン、モバイルオーダーはイープラス、入場ゲートはイープラスとクマヒラがそれぞれ参画している。

 顔認証システムは、事前に登録した顔画像と、端末のカメラで認証した顔を照合し、本人認証するもの。スムーズな認証による待ち時間の減少に加え、接触機会の低減などにつなげる。

 合わせて、東京ドーム内の店舗「Dome Shop 104」と「G-STORE」に設置された端末で、顔認証で決済ができる「顔認証決済」も導入。事前に専用ウェブサイトから必要情報を登録し、顔写真を撮影、登録することで利用ができ、会計時は顔を照合するだけで支払いが完了。接触機会の低減に加え、手ぶら決済ができ、よりスムーズな購買体験ができる。

顔認証システム
顔認証システム
会計時は顔を照合するだけで支払いが完了
会計時は顔を照合するだけで支払いが完了

 スマートフォンやタブレットから、お弁当や食事、飲み物を「ネット注文」し、店舗で商品を受け取るだけのモバイルオーダーの仕組みも整える。商品を選び、クレジットカードなどの情報を入力することで、決済も完了。店頭では、画面に表示される二次元バーコードを見せると、商品を受け取れる。試合当日に来場してからの注文に加え、お弁当は試合の3日前まで事前受付にも対応する。

ネット注文し、店舗で商品を受け取るだけの「モバイルオーダー」
ネット注文し、店舗で商品を受け取るだけの「モバイルオーダー」

 全入場口には、自動電子入場ゲートを導入し、チケット半券回収(もぎり)を全廃。スマートフォン、紙のチケットの両方に対応し、ゲートではバーコードを読み取ることで入場ができる。公式アプリ「GIANTS APP」では、アプリ内でチケットの購入から入場までワンストップで「モバイルチケット」も提供。二次元バーコードを入場ゲートにかざして、入場ができ、「LINE」や電子メールを利用して、同行者にチケット(二次元バーコード)の事前共有も可能だ。

「自動電子入場ゲート」。スタジアム向けの特注品になり、可搬式。電源ケーブルのみ使用でき、通信にはWi-Fiなど無線を使用している
「自動電子入場ゲート」。スタジアム向けの特注品になり、可搬式。電源ケーブルのみ使用でき、通信にはWi-Fiなど無線を使用している

 東京ドームでは、2020年にコロナに関する情報を提供するシステム「TOKYO DOME ALERT」を導入。混雑を避けるため、女子トイレなどを従来の1.7倍に増設し、トイレは入り口と出口を分けたワンウェイタイプ。手洗い器も146個増やしたほか、キッズ向けの小便器やオムツ交換台も用意する。TOKYO DOME ALERTでは、ゲート付近とトイレの混雑状況をそれぞれ3段階、4段階で確認が可能。新型コロナウイルス感染対策を徹底する。

女子トイレなどを従来の1.7倍に増設
女子トイレなどを従来の1.7倍に増設

 読売巨人軍 代表取締役社長の今村司氏は「私たちは、世界トップレベルの清潔、安全、快適なスタジアムの実現に取り組んでいるところ。ぜひ、未来のエンターテインメントを体感してほしい」とコメントした。

読売巨人軍 代表取締役社長の今村司氏
読売巨人軍 代表取締役社長の今村司氏

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