オルビスは3月16日、自宅で自分の肌測定ができるIoTデバイス「skin mirror(スキンミラー)」を用いたパーソナライズスキンケアサービス「cocktail graphy(カクテルグラフィー)」を開始すると発表した。申し込みはウェブサイトから4月12日より受け付ける。
カクテルグラフィーは、スキンミラーと、肌の状態に合わせて毎月届くパーソナライズされた3本の美容液・保湿液、専用アプリから構成される定期販売モデルのサービスだ。
1シーズン(3カ月間)単位の契約となる。費用は、初月のみスキンミラーのレンタル料として3300円(税込)、ほか1回あたり7920円(税込)×3回(2万3760円)。
まず、サービスに申込むとオルビスが独自に開発したスキンミラーが自宅届く。スキンミラーは、直径約58mmの手のひらサイズで、肌の水分量を測定するセンサー、皮脂量・キメ・毛穴の状態を測定するカメラを搭載。使わないときは、洗面所の鏡にくっつけておけるようにし、手軽に測定できる環境づくりを目指している。
肌画像のAI解析技術とオルビス独自の肌解析理論によって、肌の状態を解析し、撮影した肌画像や解析結果は専用アプリに自動で連携され、確認できるしくみだ。
まずは、ミラーと専用アプリを連携させ、アプリに従って設問に答えていき、スキンミラーで肌の状態を測定する。取得したデータに加えて、ユーザーが住んでいる地域の天候データ、肌悩み、生活習慣データを総合的に解析して数百通りの組み合わせから、2本の美容液と1本の保湿液の計3本が選定され、ユーザーのもとに届く。
化粧水の後、3本を手のひらで混ぜて使用すれば、自分のためのパーソナライズスキンケアの完成だ。肌の状態や気分に合わせて使う量を変えたり、気になる箇所にポイントで使ってみたりして工夫することもできる。肌の状態はいつでもスキンミラーで確認できるため、肌感覚だけでなくデータとして効果を“見える化”できるメリットがある。
結果は、“肌の持つ力“を表す5つの項目(うるおい、なめらかさ、バリア機能、ハリ・弾力、透明度)として、バランススコアで確認でき、今の肌状態におすすめのお手入れ情報が届く。各項目の推移はグラフ化され、自分の肌の変化を直感的に正しく知ることができるのが特徴だ。季節ごとの肌の傾向と、次の季節に向けたアドバイスによって、年間を通じて継続してもらうことを目指す。
また、一日のはじまりと終わりに、アプリで今の肌状態に合わせた時間帯別のおすすめお手入れ情報を届ける。美容液や保湿液のほか、手持ちのアイテムを使った組み合わせも提供する。
同様のサービスとしては、資生堂が2019年に月額1万円のサブスクIoTスキンケアとして「Optune」を本格展開をスタート。しかし2020年、早々にサービスを終了している。カメラは専用のデバイスではなく、iPhoneを利用したもので、5つのカートリッジ(化粧水など)を収納する端末がセットになっていた。
オルビス 新規事業開発グループ グループマネジャーの田村陽平氏は、「スキンミラーが洗面所という場所に鏡に貼り付けられる、そこが一番のキモだと思う。パッと手にとってほおに当てるだけで測定できる。実際にモニターに利用してもらうと、一週間ぐらいで違和感なく測れるようになるという声がある。肌の記録を気兼ねなくとれる体験を提供することで、私たちは肌の状態、何に困っているかにすぐにタッチができるので、それに対して正しいサポートができる。それがすごく重要になってくる」と説明。日々の測定を常用化してもらうことで、“困りごと”にきめ細やかに対応できると説明した。
オルビスは、“ここちを美しく”をコンセプトに、体験のデジタルシフトを目指している。オルビス 代表取締役社長の小林琢磨氏は、「なぜパーソナライズのスキンケアに取り組むか。お客様一人一人の“あなたらしい”正解をともに模索し導く、大きなチャレンジの軸になる」と説明する。
カクテルグラフィーでは、このような「自分の肌だけに向き合える空間」の提供を通じて、ここちよいスキンケア時間、洗面所という日常のスキンケア空間を起点に、“肌の持つ力“の可能性を広げることを目指す。
今後もオルビスは、テクノロジーの活用によって体験価値の向上を図り、さまざまな取り組みをしていくとしている。
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