世界地図を見ながら、世界情勢を考える。それが地政学だ。現代ほど、地政学の知識や考え方が求められている時代はないだろう。混迷する世界情勢のなかで、アメリカや中国をはじめとした主要各国は、なぜそのように振る舞い、本音ではどう考えているのか。本書は、そんな国際政治のキモの部分を理解するうえで、うってつけの本だ。とくに「地政学で考える日本の特徴」は、日本人なら誰しも知っていて損はない知見である。
「サクッとわかる」というタイトルに嘘はない。監修を務める奥山真司氏は、防衛省の幹部や幹部候補生だけではなく、大学生にも地政学を教えている。国防のプロにも初心者にも教えているからこそ、地政学の根本をわかりやすく解説できるというわけだ。しかもすべての項目が、見開き2ページ、オールカラーのイラストや図解つきでまとめられている。「すべての内容は地図とともに説明できる」とあるとおり、さまざまな工夫やアイデアに満ちた本になっている。
地政学の考え方は、もっとも揺るぎない世界の見方である。本書を読めば、新聞の国際欄がずっとエキサイティングになるはずだ。
今回ご紹介した「サクッとわかる ビジネス教養 地政学」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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