アマゾン配送車のAIビデオ監視に懸念、米議員がCEOに公開書簡

Laura Hautala (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 (ガリレオ)2021年03月04日 12時14分
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 米上院の議員5名が米国時間3月3日、アマゾンの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezos氏宛てに連名で公開書簡を送付した。その内容は、Amazonが配達車のドライバーの様子を確認するために導入を始めたビデオ監視システム「Driveri」について疑問点を問いただすものだ。2月に初めて報じられたこのシステムは、ソフトウェアメーカーのNetradyneが開発した人工知能(AI)搭載カメラでドライバーを撮影し、運転中に安全を脅かすような問題が生じると注意を促すというものだ。これに対し上院議員らは、プライバシーの侵害に関する不安や、ただでさえ負荷の高い仕事にさらに厳しい規律が課せられることへの懸念を、ドライバーが示していると指摘した。

Amazon配送車
提供:Getty Images

 Edward Markey議員とElizabeth Warren議員(ともにマサチューセッツ州選出)、およびRichard Blumenthal議員(コネティカット州選出)、Cory Booker議員(ニュージャージー州選出)、Bernie Sanders議員(バーモント州選出)の5名は書簡の中で、ドライバーの安全を向上させたいとするAmazonの姿勢を評価しながらも、カメラを使ったシステムが逆に安全を損なうおそれがあるとして、懸念を表明した(今回の書簡に名を連ねた議員のうち、無所属のSanders氏以外は、全員が民主党所属だ)。

 「AmazonはDriveriのカメラを使って走行中の安全性を高めようとしているのかもしれない。だが実際には、このような監視によって、配送ルートをより速く走らなければならないという強いプレッシャーをドライバーに与えてしまい、その結果ドライバーの疲労や、安全性の低下につながる可能性がある」と、議員らは記している。

 Amazonはコメントの依頼に応じなかった。

 5人の議員はBezos氏に対し、ドライバーを撮影した動画のデータがどのように保管、アクセス、共有されるのか、アクセスを許可されている第三者にはどのようなものがあるのかについて、詳細な説明を求めている。さらに、この映像がドライバーに対する賞罰システムの一部として使用されることがあるのか、Amazonの仕事を直接請け負っていない委託業者もこのシステムによる監視の対象になるのかについて回答を求めている。

 過去の複数の報道によれば、ドライバーらは、このカメラによって仕事のペースを今以上に速めなければならないというプレッシャーが高まることや、厳しい時間の制約の中でやむを得ず取った行動が処罰の対象になりかねないことを懸念しているようだ。Motherboardによると、ドライバーは10時間のシフトで400個の荷物を配達するよう求められることもあり、そのような場合は荷物を人目につく場所に置きっぱなしにしたり、門の外から投げ入れたりすることが避けられないという。また、配達が遅れないようにするために、トイレが見つからないときに外で小便、場合によっては大便をすることさえあるという。

 このカメラシステムには、ドライバーが不注意な運転をしたり一時停止を無視したりしたことを検知すると、音声で警告を発する機能がある。また、ドライバーが急ブレーキをかけたり突然方向転換をしたりした時や車に「大きなG(重力加速度)」をかけたりした時には動画をアップロードする。Amazonがこのシステムについて説明した動画によれば、ドライバーは休憩時にはカメラをオフにできるという。さらに、このカメラには映像をリアルタイムで配信する機能も仕事中のドライバーの様子を監視する機能も用意されていないと説明している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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