今回のVAIO Zの説明には、節々にM1 Macとの比較が入れ込まれていた。これについて山本氏は、「私たちにとって、2020年秋のAppleの発表(M1搭載Mac)はとても衝撃的であり、また大いに勇気づけられた。M1プロセッサの素晴らしさは、消費電力とコンピューティングパワーの均衡を打ち破るブレークスルーを成し遂げたこと」と説明。
また今回のVAIO Zについても「われわれの立体成型フルカーボンボディもモバイルコンピューティングにおける早さ、スタミナ、強靱さそして軽量性の均衡を破る、ブレークスルーを実現させている。ブレークスルーこそがVAIOのDNA。デザインと技術で、ブレイクスルーを生み出すことがVAIOに期待されるイノベーションであると考えている」と語った。
このほか、第5世代移動通信システム「5G」にも対応。高容量で薄型軽量な新開発・専用設計バッテリーによって、最大約34時間のスタミナ駆動を実現し、VAIO史上最長となる最大18時間の連続動画再生を実現している。
さらに米国防総省制定MIL規格(MIL-STD-810H)に準拠した品質試験もクリアし、天面・裏面の計2面の落下試験について、米国防総省制定MIL規格(MIL-STD-810H Logistic Transit Drop Test)を超える、落下高さ127cmの衝撃から本体を守る堅牢ボディを実現した。
セキュリティ面では、新搭載された人感センサーに、従来モデルから搭載する指紋・顔の2つの生体認証を組み合わせ、強固なセキュリティ機能を搭載する。
立体成型フルカーボンボディのメリットは、直接的には剛性と軽量の両立にあるが、そのアドバンテージをさまざまなバリューにつなげることで、従来の性能バランスを打ち破る、並外れたスピード、スタミナ、強靭さを持ちながら、1kgを切る軽量モバイルノートPCになっているという。
また、VAIO Zの発売を機に、登録したすべてのVAIO PCユーザー(個人のみ)が利用できるサイト「VAIOオーナーサイト」をオープンした。
同サイトでは、製品登録(個人向けPCのみ)、保証情報確認、オンラインハードウェア診断、所有モデルのサポート/アップデート情報、問い合わせや修理申し込みが可能となっている。さらには、VAIO Z専用のサポート窓口を設置。
万が一、PCを紛失してしまった際に、手元のスマートフォンなどから現在位置の確認やリモートロック、データ消去命令などを行えるソリューション「TRUST DELETE for VAIO(個人向け)」の提供も新たに開始する。
プレミアムエディションとなるSIGNATURE EDITIONは、第11世代インテル Core プロセッサー Hプロセッサーラインの中でも、最大5.00GHz駆動のスペシャルエディション「Core i7-11375H」を搭載するほか、「ブラック」とカーボン繊維の目をあえて表出した「シグネチャーブラック」が選択可能。
黒色キートップに黒文字で刻印を施した「隠し刻印キーボード」も選択可能となっている。
VAIOはソニー時代に、世界で年間500万台以上販売してきたが、独立にあたって国内フォーカス。2015年より海外展開を再開し、北米、中国、南米、欧州、アジア、中東へと拡大してきた。
日本で商品企画・開発・製造した製品を現地のビジネスパートナーが販売するだけでなく、VAIOは各地域に合わせた製品のディレクションや監修もスタートした。グローバル製品開発とローカルフィット製品の二本立てにすることで、海外販売台数比率において、全体の50%に迫るところまで成長できたという。
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