大日本印刷(DNP)は2月8日、国内の電子マネーや社員証などで普及している非接触ICカードの技術方式「FeliCa」に対応した指紋認証による生体認証カードを開発したと発表した。
このFeliCaカードには、指紋センサーが搭載されており、事前に登録した個人が指でセンサー部を触れながらリーダーにかざすことで、認証や決済が可能となる。追加の装置やシステム開発の必要なしに、既存のカード運用システムで利用できるのが特徴となる。
これにより、大規模な導入コストをかけることなく、短期間で高いセキュリティ環境が構築可能。厳格な情報管理や勤務管理に用いる社員証や、高額な残高をチャージした電子マネーカードなど、他人が手にしたとしても指紋による本人認証ができず、なりすましによる悪用が防止できるという。
なお、指紋データはカード内に登録・保存されており、利用時の指紋認証もカード内で完結するため、指紋データを保管するためのサーバーを構築する必要はない。企業側で指紋データを所持せずに済むため、情報漏えいのリスクもなく、管理負荷が軽減できるという。
同社では、オフィスや工場などへの入退時、マンションなどの玄関ドアの防犯性強化、電子マネー決済などの利用を想定。2月より同カードを使った社内での実証実験を行い、2021年度内に高度な入退室管理が必要な工場や施設を持つ企業、電子マネーカードの発行事業者などに提供を開始する予定だ。
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