「1GB以下なら0円」で携帯大手3社に対抗する楽天モバイル--MVNO含めた各社への影響は - (page 2)

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危機に陥るMVNOを総務省は救えるのか

 では、楽天モバイルの新料金プランが大きな影響を与えるのはどこかというと、やはりMVNOではないかと筆者は見る。そもそも楽天モバイルは元々MVNOであったし、オンライン主体でサービスを提供しているという点もMVNOに近しく、店頭サポートをあまり必要としない、スマートフォンに詳しい人が多く利用しているという点でも共通している。

 ただこれまでMVNOは1〜3GB程度の小容量で月額1000円台のプランを主力としていた一方、楽天モバイルは月額2980円で自社エリア内使い放題と、サービス内容に差があったことから一定の住み分けができていた。しかしながら楽天モバイルが段階制を採用したことで、MVNOの強みだった領域に乗り込んできたともいえるだろう。

 もちろん楽天モバイルは、携帯大手の回線を借りているMVNOと比べエリア面で不利な要素はある。ただMVNOは混雑時の通信速度が劇的に遅くなるなど、ネットワーク品質面では別の課題を抱えており、携帯大手ほどの差はないことから与える影響も大きいのではないだろうか。

 もちろんいくつかのMVNOは楽天モバイル、さらに言えばahamoなどの料金プランに対抗するべく新料金プランを打ち出している。2021年1月27日に発表したオプテージ「mineo」の新料金プラン「マイピタ」は、3GBプランを5GBに増量して月額1380円に引き下げたほか、20GBプランに至っては従来の半額以下となる月額1980円の料金を実現している。

オプテージの「mineo」は新料金プラン「マイピタ」を2021年1月27日に発表。5GBプランで月額1380円、20GBプランでは月額1980円と、従来プランからの大幅な値下げを実現している
オプテージの「mineo」は新料金プラン「マイピタ」を2021年1月27日に発表。5GBプランで月額1380円、20GBプランでは月額1980円と、従来プランからの大幅な値下げを実現している

 だがMVNOは小規模の事業者も多いだけに、こうした対抗策を打てる所はかなり限られてくるだろう。実際MVNOの業界団体であるテレコムサービス協会MVNO委員会は、MVNOが携帯大手からネットワークを借りる際に支払うデータ通信の接続料や音声通話の卸料金が、現状の水準のままではahamoなど携帯大手の新料金プランに対抗できないとして、総務省に接続料の速やかな引き下げなど緊急措置を求める要望書を提出するに至っている。

総務省「接続料の算定等に関する研究会(第40回)」のテレコムサービス協会MVNO委員会提出資料より。ahamoなど携帯大手の新料金プランは、MVNOが現在の接続料や音声卸料金の水準では実現困難として、公正に競争できる緊急措置を求めるに至っている
総務省「接続料の算定等に関する研究会(第40回)」のテレコムサービス協会MVNO委員会提出資料より。ahamoなど携帯大手の新料金プランは、MVNOが現在の接続料や音声卸料金の水準では実現困難として、公正に競争できる緊急措置を求めるに至っている

 それに加えて、楽天モバイルが1GB以下で月額0円という料金を打ち出してしまったとなれば、少なくともMVNOの1GBプランは競争力を保てなくなってしまう。楽天モバイル側は新プランの内容に関して総務省にも情報を伝えているので法的に問題ないとしているが、MVNOの競争力を保てなくなる可能性があることを考慮すれば、0円という料金は今後公正競争上大きな議論の的になってくるかもしれない。

 それゆえ今後の携帯料金を見据える上で注目すべきは、急激に安くなり過ぎた携帯大手の料金に対して、MVNOが競争力を保てる策を総務省が用意できるかという点になってくるだろう。携帯各社が2021年2月から4月にかけて新料金プランを投入することを考えれば、そのために残された時間は決して多くない。

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