仕事や教育用の安価なコンピューターが家庭で求められるようになる中、「Chromebook」の需要が増加し続けている。
Chromebookの出荷台数は2020年第4四半期に1100万台を超え、2020年の合計出荷台数は3070万台となった。さらに、調査企業のCanalysによると、世界のPC出荷台数は第4四半期に前年同期比で35%増加し、1億4370万台に達した。2020年の合計PC出荷台数は、前年比17%増の4億5820万台となった。企業と消費者の双方が、自宅で仕事や学習をするために必要なツールをこぞって買い求めたようだ。
Canalysの調査は、PCの出荷台数にタブレットを含めているが、タブレットのみの出荷台数も明らかにしている。第4四半期のタブレット出荷台数は5280万台だった。Appleの「iPad」が前年同期比で41%増加し、1920万台となった。
Amazonのタブレット出荷台数は650万台、レノボは560万台だった。中国の華為技術(ファーウェイ)は前年比24%減となっている。出荷台数が前年比で減少したベンダーは、厳しい制裁が科されているファーウェイのみだ。全体では、タブレット出荷台数は前年比で54%増加した。
ここ数年、ファーウェイにとって厳しい局面が続いている。米国は同盟諸国に、5Gネットワークからファーウェイ製の機器を排除するよう求めているほか、ファーウェイが米国製ソフトウェアを利用できないようにしている。ファーウェイのスマートフォンやタブレットには、「Gmail」や「YouTube」のようなGoogleの中核的な「Android」アプリがプリインストールされない状態となっている。
Chromebookの出荷台数は、タブレットの出荷台数よりもはるかに少ない。出荷台数が最も多いのはHPで、第4四半期は前年同期比235%増の350万台だった。レノボは前年同期比で1766%増となり、280万台に達した。
Dell、エイサー、サムスンも、出荷台数が前年同期比で2桁または3桁増加している。Chromebookの総出荷台数は第4四半期、前年同期比287%増となった。
タブレットを含むPCの世界出荷台数で首位に立ったのはレノボで、第4四半期の出荷台数は2880万台だった。2位はAppleで2640万台、HPが1930万台、Dellが1590万台、サムスンが1150万台と続いた。
第4四半期のPCの総出荷台数は前年比で35%増加し、1億4400万台となった。
Canalysの調査ディレクターRushabh Doshi氏は、「Chromebookの需要は非常に高い」とコメントした。
「さらなるロックダウンが開始され、多くの国がデジタル教育計画を加速させる必要に迫られる中、学校や大学は簡単に導入できるソリューションを強く求めている。Googleの教育向けデジタル製品は特に米国と西欧で、競合プラットフォームよりも高い人気を集めていることが分かっている」とDoshi氏は述べている。
「多くの国で、政府が、生徒1人に端末1台という要望の高い環境の整備を急ぐ中、教育分野向けのChromebookの需要は、2021年を通して好調を維持すると予想される。教育以外の分野でも、消費者や従来の法人顧客の間で、ビジネスまたは個人用コンピューティングの継続性を手ごろに確保する手段が求められており、Chromebookに対する関心が高まっている」(Doshi氏)
現時点で高い人気を誇るChromebookだが、新たな対抗馬も現れようとしている。Microsoftが「Chrome」に対抗して開発したOSとの見方もある「Windows 10X」だ。Windows 10Xは2021年にPCに初めて搭載される予定とみられる。Microsoftは、現場を支える要員や教育分野の人々がWindows 10Xを採用されることを期待しているようだ。Windows 10Xは、まずはIntelベースのコンピューター向けになるとみられるが、将来的にはArmがサポートされる可能性もある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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