パナソニック、ボックス型ミラーレスやマルチオーブンなど「私たちを動かすテクノロジー」を披露 - (page 2)

自動車の使命は第2の家へと変わった

 続いて、Panasonic Automotive Systems America 社長のScott Kirchner氏が登壇し、オートモーティブ事業について説明した。

 「2020年は、自動車の重要な使命が変わった」と切り出し、「車は第2の家となり、新しい安全な避難所となった。人を運ぶだけでなく、経験を共有する場所にもなった。誕生日を車で祝うようになり、ドライブインシアターが復活し、車内から鑑賞できる美術展が大規模に開催されたり、政治的な集会も開催されたりした。だからこそ、パナソニックは、車内を第2の家のようにすることに力を入れている」と述べた。

Panasonic Automotive Systems America社長のScott Kirchner氏
Panasonic Automotive Systems America社長のScott Kirchner氏

 そのキーテクノロジーとして、Kirchner社長が紹介したのが、コックピットドメインコントローラーである「SPYDRプラットフォーム」である。

 複数の独立した小型コンピュータの代わりに使用される単一のコンピューティングプラットフォームであり、GoogleのAndroid 11を搭載するととも、OpenSynergyのハイパーバイザーを統合。車両での体験をデザインすることが容易になるという。

 「SPYDRは、最大11台のディスプレイを、個別あるいは共有してコンテンツを動かすことができ、座席ごとに音楽を再生したり、キャビン全体を共有したシアター体験ができたりする。快適性と安全性を両立でき、退屈しない空間を体験できる。没入感のある体験を自宅から車に持ち込むことができる」とした。

コックピットドメインコントローラー「SPYDRプラットフォーム」
コックピットドメインコントローラー「SPYDRプラットフォーム」

 ここでは、ELS STUDIO、Fender、Klipschと提携したサウンドソリューションを提供。SPYDRプラットフォームで、Dolby Atmos Musicも利用できるようにしたという。

 また、次世代のAR HUD(ヘッドアップディスプレイ)を開発し、ドライバーに対して、直感的な形で情報を提供できることも示した。「ドライバーの眼は、フロントガラスとその先にある道路に集中することになる。独自のユーザー中心のPRIZMプロセスを用いて開発しており、旅のあらゆるシーンを考慮し、AIがどのような状況でも最も重要な情報を検出し、優先順位をつけて表示することができる」とした。

次世代のAR HUD
次世代のAR HUD

 ここでは、パナソニックが長年培ってきた画像生成と光学系技術に加えて、Envisicsとの連携により、高解像度レーザーホログラフィーを活用。Phiarとの協力により、空間AIとARナビゲーションを活用できるようにすることも紹介した。

 さらに、新開発のWi-Fiカメラにより、後方の視界をクリアにしたり、車線変更時の死角を解消できることも紹介した。

 また、CESのパナソックブースでは、ここ数年、展示を続けているV2X(Vehicle to Everything)の「Cirrus by Panasonic」についても触れた。

 車内システムと路側機(RSU)、IoTデータを統合した交通管理ソリューションであり、車両、道路と、道路に触れるすべてのものが相互コミュニケーションすることで、安心で安全な交通を実現。すでに、ユタ州運輸局との提携など、全米で成果が出始めている。「インシデントが発生してから、米運輸省(DOT)が通知して、対応するまでの時間を、これまでの10~15分から、数秒に短縮できる」とした。

世界最大規模の家電メーカーとして巣ごもり時間増加のニーズを先取り

 再び登壇したMoskowitz CEOは、最後に、コンシューマ事業への取り組みを紹介した。

 「家で過ごす時間が増えたことで、生活空間を、より快適に、より便利に、より魅力的にする製品への欲求が高まっている。料理の腕前を上げたり、ゲームや趣味に講じたり、美容やグルーミングへの関心も高まった。パナソニックは、世界最大規模の家電メーカーとして、こうした進化する消費者のニーズを先取りしている」と述べ、いくつかの商品を紹介した。

 パナソニック初となるボックススタイルのデジタル一眼ミラーレスカメラ「LUMIX BGH1」は、ストリーミング配信の機会が増えてきたことに対応したもので、すべてのコントロールをコンピュータで処理するライブプロダクション作業のために設計。プロ向けカメラのバリカムモデルで使用しているのと同じ技術を採用したのが特徴だ。ドローンでの撮影や、IPリモコン、ライブストリーミングまでさまざまな使い方ができる。

 CES 2021では、Cold War Kidsによるコンサートがライブ配信されるが、ここでは、LUMIX BGH1を使用しているという。また、BGH1は、Netflixに承認された初のマイクロフォーサーズミラーレスカメラになったという。

初のボックススタイルとなるデジタル一眼ミラーレスカメラ「LUMIX BGH1」
初のボックススタイルとなるデジタル一眼ミラーレスカメラ「LUMIX BGH1」
ドローンでの撮影や、IPリモコン、ライブストリーミングまでさまざまな使い方ができる
ドローンでの撮影や、IPリモコン、ライブストリーミングまでさまざまな使い方ができる

 有機ELテレビの「JZ2000」も発表した。カスタムした有機ELパネルは、優れたピーク輝度と平均輝度を実現。改良されたプロセッサーは、AIにより、再生中のコンテンツの種類を識別し、それに応じて画質と音質を最適化する。また、従来モデルでは上向きスピーカーを搭載していたが、これに加えて、横向きスピーカーを搭載し、究極のワンボックスサウンドを実現したという。

有機ELテレビの「JZ2000」
有機ELテレビの「JZ2000」

 さらに、ゲーミングスピーカー「SoundSlayer」の最新版を発売し、Dolby Atmosに対応した3Dサウンドの実現とともに、スクウェア・エニックスとの協業により、ゲーマーのために特別なデザインを行ったという。同製品は、CES 2021イノベーションアワードのヘッドフォン・パーソナルオーディオ部門を受賞したという。

ゲーミングスピーカー「SoundSlayer」
ゲーミングスピーカー「SoundSlayer」

 ヘッドホンでは、Technicsブランドの新たなワイヤレスヘッドフォンを発表。「優れたサウンドと通話品質、フィット感を提供した。どこからでも仕事をする新たなライフスタイルに最適である」とした。

 また、白物家電では、新たに発売した「HomeCHEF 4-in-1マルチオーブン」を紹介。「業界をリードするインバーター電子レンジ技術を採用し、エアフライヤー、コンベクションオーブン、ブロイラーを組み合わせたのが特徴。究極のオールインワン家電である」とした。CES 2021の会期中には、YouTubeで人気のThe Try Guysによるクッキング対決も行われるという。

「HomeCHEF 4-in-1マルチオーブン」
「HomeCHEF 4-in-1マルチオーブン」

 なお、パナソニックでは、CES 2021にオンライン出展しており、「Entertainment」「Smart Mobility / Automotive」「Sustainability」「Lifestyle」「Wellness」「Food Retail」の6つのカテゴリで商品やサービスを紹介。日本向けの特別サイトとして、「CES2021 Panasonic in Tokyo」を用意。日本語で、商品やサービスを紹介する。

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