Microsoftは米国時間12月15日、SolarWindsの「Orion Platform」のソフトウェアのうち、マルウェアの「Solorigate(SUNBURST)」が含まれていることが判明しているバージョンを強制的にブロックし、隔離する予定であることを明らかにした。
今回のMicrosoftの決定は、SolarWindsのソフトウェアを対象とした大規模なサプライチェーン攻撃が明らかになったことに対する措置だ。
12月13日、複数の報道機関らが、ロシア政府とつながりがあるとみられる攻撃グループがSolarWindsに攻撃を行い、ネットワークなどの監視プラットフォームであるOrionのアップデートにマルウェアを挿入したと報じた。
報道後まもなく、SolarWindsはOrionのバージョン「2019.4 HF 5」「2020.2」「2020.2 HF 1」が影響を受けていることを認めた。
同社の公式発表に続いて、MicrosoftもSolarWindsのインシデントへの対応を発表した。Microsoftは同日、「Microsoft Defender Antivirus」にSolarWindsのソフトウェアにSolorigateが組み込まれているかどうかを判別する検出ルールを追加したことを明らかにした。
ただしこの検出ルールはアラートを発するだけで、Orionアプリへの対応はユーザーが決定できた。
しかしMicrosoftは、15日に投稿された短いブログ記事で、16日以降、Orionアプリのバイナリーを強制的に隔離することを決定したと発表した。
Microsoftは、「Microsoft Defender Antivirusは、12月16日(水)午前8時00分(太平洋標準時)以降、既知のSolarWindsの悪質なバイナリーのブロックを開始する。該当するバイナリーは、プロセスが実行されていても隔離される」と述べている(日本時間では17日午前1時以降)。
同社は、これによって一部のネットワーク監視ツールがクラッシュする可能性があることは承知しているが、顧客の利益を守るためにこの措置を決定したと述べている。
Microsoftは企業に対して、トロイの木馬が仕込まれたOrionのソフトウェアがインストールされていたデバイスをネットワークから排除して、デバイスを調査することを推奨している。この勧告は、13日に米国土安全保障省が発表した緊急指令の内容に沿ったもので、同省のサイバーセキュリティインフラストラクチャーセキュリティ庁(CISA)も同様のことを推奨している。
14日に米証券取引委員会(SEC)に提出された文書によれば、SolarWindsは、少なくとも1万8000社の顧客がトロイの木馬が仕込まれたOrionのアップデートをインストールしたと推計しており、それらの企業の社内ネットワークにSolorigate(SUNBURST)が存在している可能性がある。
これらのネットワークの大半では、マルウェアは存在しているものの、しばらく休眠状態になっている可能性がある。SolarWindsのソフトウェアを利用しているハッカーは、価値が高い少数の標的のネットワークにのみ追加のマルウェアを展開しているとの見方もある。現時点で判明しているとみられる被害組織には、以下の組織が含まれる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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