産直アプリのポケットマルシェ、農林中央金庫から1.4億円の資金調達

 生産者と消費者をつなぐ産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営するポケットマルシェは12月21日、8月に行った8.5億円の資金調達に続き、シリーズBエクステンションラウンド(シリーズBラウンドにおける追加の資金調達)として農林中央金庫を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。資金調達額は1.4億円となる。

 なお、シリーズBラウンドは合計調達額9.9億円で終了。今回の調達で累計調達額は15.5億円になるという。

 同社が運営するポケットマルシェは、約3800名の生産者と約25万名の消費者が登録している。今回、「強い一次産業を実現する」という想いが一致したことから、農林中央金庫を引受先とする第三者割当増資を実施するとともに、生産者の登録促進などで連携していくという。

 調達した資金については、(1)生産者の登録促進(農林中央金庫と連携し、全国の生産者にネット直販の機会を提供)、(2)生産者の販売力強化(ネット直販に関する教育コンテンツを充実させ、登録生産者の販売力強化に取り組む) 、(3)プロダクトの改善(生産者および、消費者の利便性を高めるべく、UI/UXを中心にプロダクトを改善)という3つについて活用する。

 同社によると生産物の価値を発信し、コミュニケーションの中でファンを獲得して安定的な販売を実現するために、インターネットを利用した直販は有効だが、「消費者にインターネットで直販をしている農家数の割合」は、2019年時点で0.56%と、極めて少ない状況にある。

 2019年の農業就業人口の平均年齢である67歳、2017年の漁業就業人口の平均年齢である55.6歳に対して、ポケットマルシェに登録する登録生産者の平均年齢は44歳であることから、特に高齢の生産者によるネット直販実施が進んでいないことが推測される。

 そこで、農林中央金庫の持つネットワークを活用し、全国の生産者にネット直販の機会を提供することで、一次産業の成長促進を図る。加えて、高齢の生産者に対するネット直販のサポートも強化する。なお、大分県や鹿児島県においては、すでに農林中央金庫と連携して生産者による新規出品を実現しているという。

 同社では、販路のひとつとしてネット直販を容易に選択可能な環境を実現し、生産者の所得向上、ひいては一次産業の活性化を農林中央金庫と目指す。

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