神戸市、AIで氷河期世代の就職先をマッチングする「SODAMO」を開始--30〜40代向け

 神戸市は12月18日、就職氷河期世代の就労を支援するため、AIが性格や価値観をもとに就職先をマッチングするサービス「SODAMO(ソダモ)」の提供を「LINE」上で開始した。30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代を対象にしており、2020年度で2500名の登録を目指すという。

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 神戸市では、就職氷河期世代は求人環境が厳しい時期に就職活動をした世代であり、不本意ながら不安定な仕事に就いていたり、無業の状態にあったりと、さまざまな課題を抱えている人が多数存在すると説明する。

 そうした現状を社会課題としてとらえ、2019年に内閣府が3年間にわたり就職氷河期世代を集中的に支援する「就職氷河期世代支援プログラム」を実施することを決定。求職者への支援の充実が図られているほか、企業にも特定求職者雇用開発助成金を支給するなど、就職氷河期世代を雇用しやすい体制づくりが整いつつあるという。

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 その一方で、職歴や職種だけでマッチングする従来の方法では、求職者と企業が理想的なマッチングができないという課題が顕在化しているという。求職者にとっては、年齢や職歴という表面的な理由で面接や採用に至らないことや、それにともなうキャリアコーディネーターとの幾度もの面談、長時間かけて合う企業を探す手間など、手軽に就職活動をすることが難しい現状があると指摘する。

 そこで同市は、内閣府の地域就職氷河期世代支援加速化交付金の第1次交付対象決定事業として、委託事業者である神戸発のスタートアップCompassと、求職者の性格や価値観をもとにAIで就職マッチングをするSODAMOを開発した。同サービスにより、求職者・企業それぞれの課題解決を目指すという。

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 SODAMOには、事前に行った就職氷河期世代向けのアンケートでニーズの高かったAIマッチング機能のほか、キャリアアップ・セミナー情報表示、心理チェック/適職診断機能、転職サポート(カウンセリング)などが含まれる。

 また、搭載されるAIの学習には、国家資格を持ち、5年以上の経験があるキャリアコーディネーターが参加。経験則に基づいて、求職者に合った求人情報を探しているプロセスの情報をデータ化し、学習させているという。さらには、利用者のマッチング情報を学習し、マッチングの精度が向上するとしている。

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 利用するには、オンライン就労支援サービス「SODAMO」を「LINE」で友達登録する必要がある。その後、「AI仕事マッチング」ボタンをクリックし、40個の質問に回答すると、求職者の回答情報と企業の求人情報がAIによりマッチングされ、求職者の性格や価値観に合う企業が1日3社表示されるようになる。

 ある程度希望する求人のデータがたまったら、キャリアコーディネーターと面談を行い、職業紹介が受けられる。転職サポートボタンをクリックすることで、カウンセリング予約も可能になるという。

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