ドラッグストアなどの商品陳列を一元管理できる「Hansoku Cloud」--販売数が平均27.7%増加

 マニュアル作成ソフト「Teachme Biz」を提供するスタディストは11月18日、チェーンストアにおいて販売促進施策を管理できるクラウドサービス「Hansoku Cloud」を11月24日に開始すると発表した。初期費用は税別50万円。1店舗あたり月額税別5000円で利用できる。2022年2月末までに7000店舗への導入を目指す。

販促PDCAマネジメントプラットフォーム「Hansoku Cloud」
販促PDCAマネジメントプラットフォーム「Hansoku Cloud」

 スーパーマーケットやドラッグストアなどのチェーンストアでは、商品の陳列について本部から店舗に指示を出しているが、本部から届く指示書は文字だらけで分かりづらい上、FAXやメールなど複数のルートで店舗に届くため、指示の総量や優先順位を確認しづらい課題があると同社では指摘する。

 実際、スーパーバイザー(SV)が各店舗を巡回して実行確認や修正指示などをしているが、陳列指示が正しく実行されている店舗の割合を正確に把握することは難しく、把握できた場合でも70%前後と低い水準にとどまっているという。その結果として、商品が陳列されていない30%前後の店舗では商品販売の機会損失が発生しているとのこと。

 さらに、SVの店舗への巡回は工数や移動費用がかかるだけでなく、感染症の拡大リスクもともなう上、確認に即時性がなく、商品が店頭に並んでいない期間が長引くと機会損失がさらに増加すると説明。このような問題を解決し、売上向上とコスト削減を同時に実現させるため、Hansoku Cloudを開発したという。

 Hansoku Cloudでは、本部と店舗の情報伝達を円滑にして対象商品の販促効果を最大化できるだけでなく、非対面/非接触でのコミュニケーションの質を改善できることが特徴だという。また、SVの店舗巡回頻度を減少させることで、新型コロナウイルス感染症などの拡大防止に役立つとしている。

 具体的には、マニュアル作成ソフトのTeachme Bizなどで作成した画像ベースの作業指示書をHansoku Cloudに登録し、各店舗へと配信できる。従来、メールやFAXなどさまざまなルートで届いていた指示書を一元管理でき、作業の総量や優先順位を分かりやすく確認できるようになるという。

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タブレット端末で陳列指示の実行完了報告を本部に送信(写真提供:アカカベ)
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「Hansoku Cloud」を活用した業務の流れ

 また、Hansoku Cloudで配信された指示を受信した店舗の担当者は、指定の手順書を見ながら商品を陳列し、完成した売り場の写真をタブレット端末などで撮影してHansoku Cloudに登録。本部へと完了報告ができる。

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指示通りに陳列された実際の売り場(写真提供:アカカベ)

 本部では、店舗担当者がHansoku Cloudに登録した売り場の写真を一元管理でき、店舗での実施率や実施の精度を確認できる。これにより、SVの巡回頻度を減少させることができ、感染症拡大の防止や人件費、交通費の削減といった効果を得られるという。加えて、全店舗の作業実行状況/店頭実現率を施策ごとに確認可能。同社のコンサルタントが対象商品と関係のあるPOSデータを踏まえた分析サポートもするため、対象商品の売上推移を常時モニタリングできるという。

 同社によると、このサービスの開発にあたり、ドラッグストアやスーパーマーケットのべ518店舗で合計19回の導入実験を行った結果、対象商品における販促施策ごとの販売点数が平均27.7%増加したことが実証されたという。

 2021年5月以降は、消費財メーカーへのサービス提供を開始する予定。さらに、小売店とメーカーの間での情報伝達の円滑化や、販促施策におけるコンサルティングにも事業領域を拡大する予定だという。

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