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「エネループ」ひっそりと発売15周年--4本1円で利用できる電池

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 パナソニックの「eneloop(エネループ)」が11月14日に、ひっそりと発売15周年の節目を迎えた。eneloopは、2005年11月14日に発売された充電式ニッケル水素電池であり、パナソニックが買収した三洋電機が開発したものである。

パナソニックの「eneloop(エネループ)」が発売15周年を迎えた
パナソニックの「eneloop(エネループ)」が発売15周年を迎えた

 eneloopは「For Life & the Earth:地球と生命のために」というコンセプトを掲げるとともに、発売時から「繰り返し使うライフスタイル」を提案。使い終わっても、電池は廃棄するのではなく、充電して繰り返して利用するという環境に配慮した製品として、長年愛されている。満充電状態で工場から出荷する際も、太陽光を使った自然エネルギーで充電しているというこだわりは、いまでも続けている。

 だが、パナソニックに買収されて以降、eneloopの露出は減っている。パナソニックには、もともと乾電池として「EVOLTA(エボルタ)」があり、充電が可能な充電式EVOLTAを商品化している。ナショナル乾電池の流れを汲むEVOLTAは、1923年に砲弾型電池式ランプ用のエキセル乾電池を発売したのがルーツであり、実に100年近い歴史を持つ。いまでも大阪市守口市の工場でEVOLTAの生産を行っており、ここの地名が「松下町」ということからもわかるように、松下電器時代からの看板事業のひとつである。

「eneloop」(左)と「充電式EVOLTA」(右)
「eneloop」(左)と「充電式EVOLTA」(右)

 パナソニックでは、充電繰り返し回数の多い「eneloop」と、1回あたりの使用時間が長い「充電式EVOLTA」というように、用途に合わせて選べるようにしているが、量販店などで展示販売されているのは充電式EVOLTAの方が多い。一方で、eneloopは、AmazonではPanasonicのロゴを黒にした製品が用意されたり、コストコでは充電器をセットにしたパッケージ製品が販売されたりしている。

Amazonで販売されているPanasonicのロゴを黒にした「eneloop」
Amazonで販売されているPanasonicのロゴを黒にした「eneloop」

 ちなみに、eneloopでは、約2100回の繰り返し充電が可能であり、2019年3月からの新しいJIS規格においても約600回の充電が可能になっている。また、10年後でも残容量は約70%を保持していることから防災グッズとして利用することにも適しているほか、電池の外装が抗菌加工となっているため、複数の人が利用するという環境においても、衛生面での配慮が施されているという特徴がある。

 筆者は、10年以上前から家庭やオフィスで使用する電池はすべて、eneloopを中心とした充電池にしている。コロナ禍において、在宅勤務が増えたことで、マウスやキーボードの電池の消耗が速くなったが、これらも充電済みのeneloopを繰り返し使用することで、電池切れの心配はまったくない。

 充電1回あたりの電気代は、4本充電でもわずか約1円であり、繰り替えし使用することで、経済的にも大きなメリットが生まれる。初期費用は高いが、あとは4本1円で電池が利用できるという計算だ。

 そして、使用済みの乾電池を捨てるという作業が、事実上なくなったという手間の削減は、気持ちの上では、想像以上に楽である。コロナ禍では、充電池の利用をお勧めしたい。

発売2カ月前まで製品名は「NANDOMO(ナンドモ)」だった

 ここで、eneloopの歴史を少し振り返ってみよう。eneloopは、2005年に三洋電機が打ち出したブランドビジョン「Think GAIA」を具現化する第1号製品に認定されたプロダクトである。

 いまでは、SDGsをはじめとして社会や事業の継続性が、企業にとって重要なテーマになっているが、そうした機運が低かった時代において、三洋電機は「地球が喜ぶ、いのちが輝くこと」に貢献できるモノづくりを進め、その象徴的製品としてeneloopを位置づけていたのだ。

 それまでは、パワーを強調するために赤や黒が採用されることが多かった乾電池の本体デザインに、異例ともいえる白と青を採用。電池本体のホワイトは「生命」を意味し、パッケージのブルーは「地球」を表現するといったように、まさに、「地球と生命のため」というコンセプトを具現化したデザインとしていたのだ。

 その後も、環境を意識したデザインを施した限定モデルを追加したり、環境関連イベントにも積極的に取り上げられるなど、従来の乾電池のイメージを変える存在となった。

 そして機能進化も遂げている。第1世代のeneloopでは、約1000回の繰り返し使用が可能だったが、第2世代では約1500回、第3世代では約1800回へと増加。現在は第4世代となって約2100回の利用が可能となっており、第4世代からは、電池本体のデザインにはPanasonicのロゴが描かれている。

 実は、eneloopの製品名は、「energy(エルギー)」と「Loop(ループ)」を組み合わせた造語であるが、発売2カ月前まで「NANDOMO(ナンドモ)」という名称が決まっていたという逸話がある。だが、経営幹部の「グローバルの視点を持った製品名にしてほしい」という要望により、eneloopに変更。その成果もあり、環境意識の高い欧州では、eneloopが定着し、高い存在感を発揮した。

 eneloopは、充電式EVOLTAとともに、「液もれ防止製法」を採用しているのも特徴だ。

 独自の新封口工法によって、耐漏液性を向上。液もれによって、大切な機器のサビつきや破損を軽減し、「大切な機器でも安心して、くり返し使ってもらうことができる」としている。さまざまな製品に、充電池を安心して利用してもらえるというわけだ。

 たとえば、パナソニックの「エアーマッサージャー レッグリフレ」は、在宅勤務の増加などによる運動不足によって、疲れやすさを感じる人が増えたこともあり、販売が好調だが、この利用にも、パナソニックでは、eneloopと充電式EVOLTAの使用を推奨している。このほかにも、ワイヤレスドアホンやトランシーバーなど、パナソニックでは、eneloopと充電式EVOLTAの利用を推奨する例が多い。

 また、バンダイが「たまごっち」をはじめとした玩具で充電池を使用する際は、eneloopおよび充電式EVOLTA以外は使用しないように求めているなど、玩具メーカーからの評価も高い。さらに、LEDを使用したペンライトでも、eneloopおよび充電式EVOLTAの使用を推奨するといったメーカーが多い。

 また、かつては、カイロやウォーマー、モバイルブースターなど、eneloopを活用した製品があったほか、2018年から同社が取り組んでいる「無電化地域ソリューションプロジェクト」では、ソーラーランタンやソーラーストレージを、インドネシアやミャンマー、ケニアなどの無電化地域に提供。eneloopブランドのソーラーストレージ「BH-SS01」などが活躍している。

eneloopブランドのソーラーストレージ「BH-SS01」
eneloopブランドのソーラーストレージ「BH-SS01」

 コロナ禍において、家庭内でも乾電池の消費量が増加しているという人も多いだろう。そうした人にこそ、改めてeneloopの良さを認識してほしいと思う。そして、15年目以降のeneloopの進化にも期待をしたいところだ。

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