ANAグループのavatarinと凸版印刷は11月10日、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」に設置された宇宙アバター「space avatar」を、世界で初めて一般の人が街中から操作できる技術実証、そしてアバターロボット「newme」や「IoANeck」によって遠隔でJAXA施設を見学する事業実証を11月19日から22日まで実施すると発表した。
11月21日、22日に、虎ノ門ヒルズビジネスタワーにおいて「AVATAR X space avatar 宇宙を身近に感じよう」として一般公開をする。
space avatarは、JAXAのきぼうの有償利用制度を利用し、宇宙ステーション補給機「こうのとり」9号機に搭載され、5月にきぼうへ到着した。space avatarには、JAXA施設外からきぼうと通信する技術を利用しているという。
今回のspace avatar操作体験では、地上400km上空を秒速8kmで周回するきぼうに設置した宇宙アバターspace avatarを操作できる。一般の人が街中から、宇宙にあるspace avatarをリアルタイムに直接動かし、船内から宇宙や地球を眺められるという。
JAXA展示施設の遠隔見学については、avatarinのアバターロボット「newme」と、凸版印刷のIoA仮想テレポーテーション技術を用いた遠隔地にいる人と体験を共有できるウェアラブルデバイス「IoANeck」を活用し、筑波と種子島のJAXA展示施設を対象に専門家ガイドによる遠隔見学を実施するという。
筑波宇宙センターにnewmeを配置し、虎ノ門会場や自宅などから1回30分の遠隔見学を実施。「文化芸術収益力強化事業」の一環として自宅など虎ノ門の会場外からの見学を1回500円(通信・機器利用費)に設定して、収益の費用対効果を確認するとのこと。専門家ガイドの説明を聞きながら自分でアバターロボットを遠隔操作し、自由に施設内を移動することができる。
凸版印刷のIoANeckによる種子島宇宙センター遠隔見学ツアーでは、専門家ガイドがIoANeckを装着し、虎ノ門会場の参加者向けに説明をする見学ツアーを実施。会場内ではツアーの様子を映像と音声で配信するという。
avatarinは、今回の実証で得られた地上〜宇宙間の遠隔操作技術を含めた宇宙におけるアバター活用ノウハウを、今後の宇宙アバターを活用した事業化に向けた取り組みの礎とし、宇宙ステーション船内・船外における宇宙飛行士作業支援、月面・月周回有人拠点における宇宙アバター利用に発展させていくとしている。また、極限環境でのデータ通信の環境構築・技術開発をすることで、今後災害時や通信インフラ未整備のエリアにおいてもアバターの利用を可能にすることを目指す。
凸版印刷は、宇宙分野での遠隔コミュニケーション事業創出の一環で、2018年10月よりAVATAR Xコンソーシアムのメンバーとして活動しており、その成果をもとにこのツアーにおいて、IoA仮想テレポーテーションの有用性実証を実施するとしている。
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