新興企業のRocket Labは、ロケットを再利用する取り組みで大きく前進することにより、SpaceXの後を追おうとしている。
米国とニュージーランドに拠点を置くRocket Labは、11月16日に予定されているミッションで、同社製「Electron」ロケットから第1段ブースターを回収することに初挑戦する。
「Return to Sender」と命名されたミッションで、複数の小型衛星を軌道に向けて運んだ後、第1段が切り離され、パラシュートを使って制御することで太平洋への軟着水を目指す。洋上に浮かんだロケットは、回収船によって引き揚げられる予定だ。
パラシュートを利用したロケットの回収は、新しいアイデアではない。2009年には米航空宇宙局(NASA)がこの方法をテストした。SpaceXが採用している推進式着地システムほど劇的ではないかもしれないが、今回のミッションはより大がかりな計画への踏み台にすぎない。Rocket Labは将来的に、降下しているElectronの使用済みブースターを、ヘリコプターを使って空中でキャッチすることを目指すという。
Our first recovery mission is coming sooner than you might think. #ReturnToSender pic.twitter.com/JAtUsKYUtR
— Rocket Lab (@RocketLab) November 5, 2020
「当社がElectronで達成しようとしているのは、非常に困難で複雑な挑戦だが、打ち上げの頻度を高められるよう注力し、小型衛星の運用者に打ち上げの機会をより多く提供できるよう積極的に取り組む」と、Rocket Labの創業者で最高経営責任者(CEO)のPeter Beck氏は発表の中で述べた。
Rocket Labは4月、ロケットの段を模した試験機をヘリコプターで空中捕獲するデモを行った。
ブースターを空中で捕獲すれば、着水して一定期間塩水に浮かぶことによる損傷のリスクを避けられる。
Beck氏は、「第1段全体を無傷で回収するのが究極の目標だが、このミッションの成功は、特に補助パラシュートおよびパラシュートの展開システムについて、より多くのデータを得られるかどうかにかかっている。回収される第1段の状態に関係なく、このテストから多くを学び、次の挑戦に向けた反復に活用していく」と説明した。
Rocket Labが今回ニュージーランドの施設から行うReturn to Senderミッションの打ち上げ時間枠は、日本時間11月16日午前10時44分に始まる。この日の時間枠は約3時間あり、そこから2週間が予備に確保されている。この2週間のうちに、打ち上げが別の日に延期される可能性もある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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