アップルの最新のスマートフォンである「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」が10月23日に発売された。KDDIは、これを記念した発売イベントを同日の朝7時40分からオンライン(YouTube公式チャンネル)で開催した。
2008年7月に「iPhone 3G」が日本で発売されてから10年以上、毎年秋には大手携帯3キャリアが、CMタレントを招いて購入者にiPhoneを手渡す、お祭りとも言える発売イベントを開くことが恒例となっていた。
しかし、2020年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、例年の9月より発売日が1カ月遅れの10月にズレ込む異例の事態に。また、“密”になることを避けるためか、今年は3社ともリアルでの発売イベントを開催せず、KDDIのみ初のオンラインで発売イベントを開催。NTTドコモとソフトバンクは発売イベント自体を見送った。
KDDIの発売イベントは、販売開始となる朝8時の20分前、7時40分からスタートした。例年は同社の代表取締役社長がプレゼンターを務めていたが、今回はオンラインであるためか、社長の高橋誠氏ではなく、副社長の東海林崇氏が新型iPhoneや5Gの魅力を紹介した。
東海林氏がアピールしたのは、auならではのキャンペーンや料金プラン。対象の5Gスマートフォンへの機種変更で機種代金を5500円割り引く「5G秋トクキャンペーン」や、端末購入プログラムの「かえトクプログラム」を適用することで、たとえば「iPhone 12」の64GBモデルは月額2170円、「iPhone 12 Pro」の128GBモデルは月額2705円という価格で手に入れることができると強調した。
さらに、29歳以下が加入できる「auワイド学割」に申し込めば、通常は月額4060円の料金プラン「データMAX 5G Netflixパック」も、1600円割引きの月額2460円から利用できると説明。多くの人に5Gを体験してほしいと話した。
iPhone 12シリーズの目玉は何といっても高速通信の5Gに対応したことだが、気になるのはその展開エリアだ。東海林氏によれば、2020年内に全47都道府県をカバーする予定だという。また、2020年度末には約1万局を予定している5G基地局数を、2021年度末には約5万局まで増やし、全国人口カバー率90%を目指したいと意気込んだ。
そして時間は7時55分。iPhone 12シリーズの発売5分前に、この日のゲストである川栄李奈さん、池田エライザさんが登場し、カウントダウンとともに新型iPhoneの発売を祝った。
なお、5Gで体験したいコンテンツとして、池田さんはSHOWROOMが開発した短尺の縦型動画を楽しめる「smash.」、川栄さんはPCやVRヘッドセットで参加できる「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」を挙げた。
さらに第2部では、タレントの土田晃之さんと、動画クリエイターの瀬戸弘司さんも加わり、iPhone 12シリーズの特徴であるエッジの効いた端末デザインや、夜でも綺麗に撮影できる新しいカメラのナイトモードなどについて、ガジェット好きの視点から興奮気味に語り合った。
私は例年、iPhoneの発売イベントにメディアという立場から参加してきた。もちろんリアルの方が、カウントダウンのあの何とも言えないワクワク感をより臨場感をもって味わえたり、発売したばかりの新型iPhoneを購入者が受け取る喜びの瞬間を目の当たりにできるという魅力はある。
しかし、今回のオンライン発売イベントも、ゲストが登場する際やカウントダウン、画面いっぱいに花火があがる発売の瞬間など、出演者と映像が融合したバーチャルならではの演出を画面越しに楽しむことができ、リアルとはまた一味違うイベントに仕上がっていると感じた。
もし、また1年後にiPhoneの新モデルが発売されるとしたら、今後はイベント自体の開催の有無も含め、キャリア各社がどのような動きをするのかも気になるところだ。
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