米連邦捜査局(FBI)は、米大統領選挙の激戦州で有権者に投票させないことを狙ったロボコール(自動音声通話)活動を捜査しているという。FBIに協力する米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャーセキュリティ庁(CISA)の高官が、選挙投票日の米国時間11月3日に明らかにした。こうしたロボコールは着信者に対し、投票所に長蛇の列ができているため、代わりに4日に投票に行くよう伝えているという。だが実際には、4日にはすでに投票が締め切られている。
ミシガン州のDana Nessel司法長官は、投票日当日のロボコール活動について注意を呼びかけた。同様の注意喚起は、オハイオ州、テキサス州、フロリダ州、ネブラスカ州の有権者にも行われている。2020年の大統領選は、上記の州を含むいくつかの州での結果が勝敗を左右するとみられている。
こうした有権者への抑圧戦術は、2016年の大統領選でロシアの攻撃実行者らが用いた手法に似ている。この時は、「テキストメッセージで投票できる」というデマがソーシャルメディア上にあふれた。今回のロボコールでは新型コロナウイルスの感染拡大を利用し、投票所では大勢が密集しているとして「自宅にとどまって身を守る」よう呼びかけている。
CISAの高官は3日の記者会見で、「この種のロボコールは選挙のたびに起こる」として、「怖がらせたり、自信をなくさせたりしようとする相手に警戒し、(中略)落ち着いて投票してほしい」と語った。
The Washington Postは、こうした電話が推計1000万人の有権者にかけられたと報じた。
当局は、ソーシャルメディア上の選挙関連の誤情報とともに、サイバーセキュリティの問題にも注意している。CISAを所管する米国土安全保障省のChad Wolf長官代行は、サイバー攻撃が選挙に影響を及ぼした兆候はないものの、外国の勢力がオンラインで偽情報を拡散させる可能性はまだ十分に残っていると述べた。
投票日の3日には技術的な問題が相次ぎ、そうした偽情報が広まる可能性が高まった。ジョージア州、オハイオ州、テキサス州、ネバダ州ではこの日、障害や機械の不具合で投票開始が数時間にわたって遅れた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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