焼失から1年、首里城が3D復元モデルでオンライン復活--グーグルが「首里城復興」開設

 Googleは、世界各地にある美術館や博物館の所蔵品などを鑑賞できるサイト「Google Arts & Culture」内に、1年前の火災で大きな被害を受けた沖縄県の首里城に関するオンライン展示コーナー「首里城復興」を開設した。焼失した正殿の3D復元モデルなどが、Webブラウザーやスマートフォン用アプリ(Android版iOS版)で閲覧できる。

首里城が3D復元モデルでオンライン復活(出典:Google)
首里城が3D復元モデルでオンライン復活(出典:Google)

 首里城は琉球王国の政治や文化の中心であり、1429年の創建以来、琉球文化を今に伝えてきた。繰り返し焼失したその都度復元され、1992年の正殿復元後、2000年にほかのグスク(城や砦を意味する琉球語)群とともにユネスコ世界文化遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」となり、観光名所としても親しまれている。ところが、2019年10月31日未明に起きた火災で正殿と北殿が焼失するなど、主要な建物8棟が焼損を受けてしまった。

美しかった首里城が大きな被害を受けた(出典:Google)
美しかった首里城が大きな被害を受けた(出典:Google)

 Googleは、多数の写真や動画、ストリートビュー画像などを集めたオンライン展示コーナー、首里城復興を開設。8種類のオンライン展示を通じ、首里城と琉球文化を紹介する。

 「記憶をつなぐ―思い出の写真から復元した首里城」では、世界各地の約3000人から送ってもらった写真8万枚以上を合成し、首里城を3D復元モデルとして再構築している。ここでは、正殿や王座、琉球国王の冠を3D復元モデルで見られるほか、写真を寄せてくれた方々の思い出や応援メッセージも読める。

8万枚以上の写真から構成された3D復元モデル(出典:Google)
8万枚以上の写真から構成された3D復元モデル(出典:Google)

 「在りし日の首里城」では、火災で被害を受ける前の首里城を写真で楽しめる。「空からみた首里城の昔と今」は、19世紀前半のものと思われる鳥瞰(ちょうかん)絵図から始まり、最近の空撮画像まで、首里城の変遷を学べる。10月に撮影されたばかりの、復元を目指す首里城のストリートビュー画像もある。「首里城の旅」でも、ストリートビューによる疑似体験が可能だ。

空から見た在りし日の首里城(出典:Google)
空から見た在りし日の首里城(出典:Google)

 そのほかに、「首里城正殿―日本と中国の様式を取り入れた琉球独自の意匠」「沖縄の歴史や文化を代表する9つの世界遺産」「琉球の手わざ―琉球王国の文化―」「450年の歴史が産んだ琉球文化日本遺産」という展示がある。

復元を目指している(出典:Google)
復元を目指している(出典:Google)

 Googleは、2018年に焼失したブラジル国立博物館についても、Google Arts & Cultureで同博物館の展示物を紹介している。

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