人間の身体的特徴を利用して個人を識別する生体認証では、指紋や掌紋、虹彩や静脈のパターンなどをセンサーで取得している。
これに対しAppleは、手首内の組織構造をスキャンしてユーザー認証するスマートウォッチ型デバイス向け技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月27日に「WEARABLE ELECTRONIC DEVICE HAVING A LIGHT FIELD CAMERA USABLE TO PERFORM BIOAUTHENTICATION FROM A DORSAL SIDE OF A FOREARM NEAR A WRIST」(特許番号「US 10,817,594 B2」)として登録された。出願日は2018年9月14日、公開日は2019年3月28日(公開特許番号「US 2019/0095602 A1」)。
この特許は、スマートウォッチのような腕時計型デバイスにおいて、手の甲側の手首表面と接しているセンサーで手首内部の組織パターンを取得し、パターンの特徴からユーザー認証する技術を説明したもの。組織パターンの例としては、実施例で血管、色素沈着、しわ、毛包などに言及している。
組織パターンを取得する手段は、赤外線LEDなどから光を照射し、それをカメラのような光センサーで捉える仕組みだ。さらに、単一のカメラではなく複数の画像センサーを組み合わせる構造についても規定している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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