Go Toトラベル「地域共通クーポン」の電子クーポン体験記--活用には事前の準備を - (page 2)

電子クーポンの活用は「事前に、行動範囲のなかで使えるお店を調べておく」

 筆者は普段首都圏近郊に在住し、例年9~10月あたりに実家である札幌に帰省している。とはいえ、昨今の新型コロナウィルスの状況を踏まえると、そのまま実家に泊まるのもためらうところ。そんななか、Go To トラベルによってパック旅行の割引があり、飛行機の往復とホテルの連泊をする内容でも、例年の移動費用からそう変わらないか、むしろ安いぐらいの状況になっていたため、1人でパック旅行を活用し4泊5日で札幌に滞在することにした。

札幌駅の様子
札幌駅の様子

 パック旅行はウェブを通じてオンラインで申し込みし、クレジットカードで決済。その際、電子クーポンで付与する記載があった。筆者自身、申し込むまで地域共通クーポンの存在をきちんと把握しておらず、今回5000円分が付与されることになり、ラッキーだと当時は思った。ただ活用しようとすると、戸惑うことがしばしばあり、予約の段階で確認しておいたほうがいいと思ったところだ。

 電子クーポンの活用について、あらかじめ結論めいたことを書くと「事前に、行動範囲のなかで電子クーポンが使えるお店を調べておく、目星をつけておくことをお勧めする」だ。筆者は4泊5日という、旅行というには長期であったため、滞在期間でいろいろと調べたり対応を考えることはできたのだが、1泊2日程度では使いどころがよくわからないままになってしまう可能性もあると感じている。

取り扱い店舗はほぼ「紙のみ」か「両対応」。紙のみの店舗も多い

 札幌では大通公園近くのホテルに滞在。ほかにも旭川や美瑛、小樽といったところにも足を運んだ。札幌駅から大通公園、狸小路やすすきのといった繁華街あたりを見てまわったのだが、実際に店舗を目にして感じたのは、利用可能店舗の対応クーポンが、「紙のみ」か「紙と電子の両対応」で事実上占められていること。そして紙のみ対応している店舗が相当数あるということにある。

電子クーポンにチェックが入ってないポスター。店舗によっては赤線で囲うなど、間違いがないように目立たせているものもあった
電子クーポンにチェックが入ってないポスター。店舗によっては赤線で囲うなど、間違いがないように目立たせているものもあった
告知についてもさまざまな店舗で見かけ、独自に目立たせているような店舗も見かけた
告知についてもさまざまな店舗で見かけ、独自に目立たせているような店舗も見かけた
また、両対応の店舗では、電子クーポンも使えることをアピールする形で掲示するところも
また、両対応の店舗では、電子クーポンも使えることをアピールする形で掲示するところも

 ちなみに地域共通クーポン取扱店舗一覧は、事業者用公式サイトでExcelファイルにて公開されている。試しに北海道地域のものを見ると、電子のみ対応している店舗も存在する。それが数店舗ではなく二桁程度存在していることに驚いたのだが、滞在しているときは、紙のみと両対応の店舗しかないと思える状態で、紙のみを対応としているところが目立っていたのが正直なところだ。

 体感としては、ドラッグストアや繁華街のお土産屋などは、両対応している印象があった。札幌の繁華街であればまだ選択肢は多いものの、その他の地域ではさらに選択肢が狭まることも頭に入れておきたい。そして札幌であれば、多くの場合は移動に飛行機を使うため、新千歳空港を利用すると思われる。地域共通クーポンの使いどころではあるが、お土産店の多くは両対応となっているものの、紙のみの対応も少なからずあることも覚えておきたい。

 そして前述のように、電子クーポンはチェックイン当日の15時以降から使える。逆に言うとそれ以前の時間では使えないことも頭に入れておきたいところ。現地に朝や昼ごろに到着してもすぐに使えるわけではないため、旅行先をいろいろ移動する場合には、なおのこと事前に調べておいたほうがいいだろう。

検索マップは直感的に取り扱い店舗を探すことが可能

 Go To トラベルの旅行者向け公式サイトでは、地域共通クーポン取扱店舗をマップから検索できるようになっている。サイトにGoogleマップが組み込まれ、そのマップ上で利用できる店舗が検索できるというもの。カテゴリから探すこともできるほか、現在地を送信すれば、近くの対象店舗も検索できる。直感的にマップから取り扱い店舗を発見することができ、このマップ自体はかなり便利であると感じた。ここである程度目星をつけておいたほうがいいだろう。

地域共通クーポン取扱店舗のマップ(画像はPC版)。スマホにも対応している
地域共通クーポン取扱店舗のマップ(画像はPC版)。スマホにも対応している
マップにあるピンをクリック(タップ)すると、店名とどのクーポンを利用できるかが確認できる
マップにあるピンをクリック(タップ)すると、店名とどのクーポンを利用できるかが確認できる

 なお、実際に活用しようとすると、紙と電子のカテゴリ別での表示に対応していないため、電子に対応している店舗を探すということを目的とした場合は、ひとつひとつ店舗をクリック(タップ)して確認しなければならないところは留意したい。電子の対応店舗が少ない状況であれば、電子対応店舗を探すというニーズはあると思われるので、せめてここは、早期に紙と電子というカテゴリ別での表示に対応してほしいと思った次第だ。

 もちろん細かいところでも気を付けたほうがいいこともある。地域共通クーポンは前述のようにお釣りが出ないのだが、1000円などピッタリで支払う機会はあまりないと考えられる。大抵は1000円以上の買い物となり、残りの金額もなんらかで支払う必要がある。そのため、どのように支払うかを考えておくこと、現金であれば小銭などを用意しておくとスムーズだ。

 当時はまだ地域共通クーポンの対応が始まったばかりというのもあるが、あるドラックストアで電子クーポンを利用しようとした際、レジ担当の店員が電子クーポンの存在を把握していなかったようで、別の店員を呼んで対応してもらうという、時間がとられた出来事も実際にあった。ただこのあたりは、時間の経過とともに浸透していくものと思われる。

 Go To トラベル事業のQ&A集によれば、利用者側が紙と電子の交換はできないとなっている。一方、事業者(店舗)側では「紙クーポンのみ」または「電子クーポンのみ」から「紙クーポン・電子クーポンの両方」への変更ができるシステム改修を行ったことを、10月6日付で公表している。あくまでざっと見た程度ではあるが、当時の滞在先のマップを今見てみると、電子クーポン対応店舗、そして取扱店舗そのものも増えている印象がある。利用する側としては、これによって電子クーポンの取り扱い店舗が増えることを願いたいところだ。

 ちなみに、滞在時にいろいろと出かけたなかでは、数少ないながらも電子クーポンに対応しているということで、札幌や小樽で新規にスープカレーの店舗を開拓できた。また美瑛に行った際レンタルサイクルを活用したのだが、電子クーポンに対応している店舗があったので、料金の高い電動付き自転車をレンタルする後押しにもなったところがある。実際、電動付き自転車のおかげで、かなり広範囲を見てまわることができた。旅行を充実したものにする一助となる施策だと感じているので、電子クーポンでも有効活用されることを願いたい。

美瑛の風景。観光シーズンから少し過ぎていたこともあり、一部の観光スポット以外は、ソーシャルディスタンスを気にするどころか、人がほとんどいない光景が広がっていた
美瑛の風景。観光シーズンから少し過ぎていたこともあり、一部の観光スポット以外は、ソーシャルディスタンスどころか、人がほとんどいない光景が広がっていた

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