米航空宇宙局(NASA)は、月面に4G(第4世代移動体通信システム)網を構築する事業に関して、Nokiaに1410万ドル(約15億円)の助成金を交付した。
Business Insiderが報じたように、NASAは米国時間10月14日、宇宙探査技術の開発を促進するための制度「Tipping Point」の第5ラウンドを通じて、14社の米国企業の提案に助成金を交付すると発表した。
第5ラウンドでは、2024年までに月面に宇宙飛行士を送り込むことを予定している「アルテミス計画」(PDFファイル)に役立つ技術に焦点が当てられている。
Nokiaの研究部門であるベル研究所は、月面に無線ネットワークを構築する技術を開発する計画だ。この技術では、まず4G網を構築し、最終的には5G(第5世代移動体通信システム)網にアップグレードされるという。
ベル研究所は、ネットワークの構築、テスト、展開を行う技術に関して、自動化技術を専門とする企業であるIntuitive Machinesと協力する。
月面の放射線レベルや気温は地球と全く異なるため、開発中の4G LTE通信や使用する機器は、こうした条件に対応できなくてはならないほか、打ち上げ時や着陸時の振動や衝撃にも耐えられる必要があり、これらの要素を宇宙飛行体のペイロードとして扱えるだけの小さなフォームファクタ―に収める必要がある。
NASAは、極低温流体管理技術、月面イノベーション計画に関する技術、閉ループ制御の降下着陸装置に焦点を当てて、14社の企業に総額で3億5000万ドル以上の助成金を交付した。
助成金を獲得した企業には、Lockheed Martin(8970万ドル)、United Launch Alliance(ULA、8620万ドル)、Eta Space(2700万ドル)、Alpha Space Test and Research Alliance(2210万ドル)、Elon Musk氏のSpaceX(5320万ドル)などが含まれている。
Intuitive Machinesは、ベル研究所の事業を支援するほかに、月のクレーター間を1.5マイルにわたって2.2ポンド(1kg)のペイロードを運ぶことができる運搬装置「Hopper」の開発で4160万ドルの助成金を獲得した。
特に重視されたのは極低温流体管理技術で、この分野では、Eta Space、Lockheed Martin、SpaceX、ULAが、月の両極にある水から燃料を作る技術から、極低温の液体を安全に保管する技術まで、さまざまなソリューションの研究開発を行う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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