NTTドコモは9月29日、代表取締役社長を交代すると発表した。
これは、社内体制の変更にともなうもので、2020年12月1日より、現任の吉澤和弘氏に代わり、現代表取締役副社長の井伊基之氏が就任する。井伊氏は、1983年に日本電信電話公社に入社。2019年には、NTTの代表取締役副社長として、技術戦略、国際標準化を担当。2020年6月よりドコモの副社長に就任している。
吉澤氏は、井伊氏について「NTTグループにおけるネットワークの戦略策定・効率化を担ってきた。モバイル、固定回線、上位レイヤーを統合した新サービス開発の能力、リーダーシップを有している」と評価。さらに、「法人営業は豊富な実績を持っている。これをベースにした法人企業のデジタル化・DXの促進に大きく貢献できる。研究開発体制でも、グループ全体のリソースを活用したR&Dの体制強化を引っ張っていける」とし、「ドコモを託すのに最適なのが井伊さん」と太鼓判を押した。
井伊氏は、「取り巻く経営環境が大きく変わる中で、当社を新しく創業するつもりでさまざまな課題にチャレンジしたい」と表明。新技術やアイデアを取り入れた新しい価値の創出、あらゆる年代から支持されるサービスと価格、期待を上回るサービススピードと品質、個人・法人からの信頼回復、新しいライフスタイルの提案と5つのポイントに注力する。また、社長就任後、最初に取り組むこととして、「ドコモ口座への信頼回復と再発防止策の策定」を挙げた。
今後、吉澤氏は「取締役 特命担当」としてドコモに在籍する。何をするかについては語らなかったが、29日に発表されたNTTによるドコモの完全子会社化について、「(狙いは)ドコモを強くすること。さまざまな環境変化の中で、ドコモが進むべき領域をモバイルから広げる。NTTが持つ能力やテクノロジーを最大限活用することを目指す」と説明しており、新体制後のドコモを支えるものと見られる。
同氏は、「ドコモの存在要因は、お客様や世の中に新しい価値を提供し続けること。この4年半で貢献できたのではないかと考えている。皆様には大変お世話になった」と4年半を簡潔に締めくくった。
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