解体工事などの一括見積もりウェブサービスを運営するクラッソーネは9月29日、空き家問題の解決に向け、新サービス「くらそうね安心保証パック」を提供開始すると発表した。不安を解消し、先送りしやすい課題として残る空き家処分を前進させる。
クラッソーネは2011年4月に、ハウスメーカーなどで勤務経験を持つ川口哲平氏が、自宅など不動産の解体を検討するユーザーと工事会社をつなぐことを目的に設立。解体を依頼したいが、費用はどのくらいかかるのか、工事会社はどうやってみつければいいのかなど、不明点が多く不安になりがちなユーザー側の不安を解消するために立ち上げた。
4月には、解体を希望する施主と工事会社のマッチングサービス「くらそうね」の正式版をリリース。AIを活用し、平均20日かかる解体工事金額の見積もりを最短1分に短縮できるとしている。
くらそうね安心保証パックは、施主と工事会社に対し、着手金保証、完工保証、第三者賠償責任保険を組み合わせたサービス。着手金を支払った後に、万が一解体工事が頓挫した場合や、代替工事会社による追加費用が発生した場合、金銭的リスクを回避することで、施主に安心感を提供するほか、工事会社には自社の保険利率に影響することなく保険の利用が可能となる。保険料はクラッソーネが負担するため、施主、工事会社ともに利用は無料だ。
クラッソーネの利用者内訳を見ると、2019年以前は空き家処分を目的とした人が3割程度だったが、昨今この割合が53%にまで増加。クラッソーネ 代表取締役CEOの川口哲平氏は「空き家処分に伴う解体工事が市場を牽引する」と見る。
クラッソーネでは不用品処理、ローン、土地売却、外構工事、士業相談といった、解体工事前後に発生する施主側の困りごとを支援する「くらそうね簡単ワンストップサービス」も提供しており、空き家所有者の悩みを解決し、解体を支援。サービスは今後も拡充していく計画だ。
「空き家の解体はたくさんの問題が絡み合って何から手を付けていいのかわからない。多くの人は解体工事を依頼するのがはじめてで不安も多い。そうした結果、空き家の解体を先送りにしてしまいがち。こうした人たちに向け、安心してサービスを活用し、空き家処分の悩みを解決してほしい」(川口氏)と課題解決を目指す。
くらそうねの利用者数は現在約1万5000人。工事会社は現在1200社が登録しており、解体工事会社の10社に1社はサービスを利用している計算になる。「解体工事業者の多くは従業員数10名以下の規模で、ウェブサイトなどもなく、口コミも存在しなかった。くらそうねでは、会社概要を掲載しているほか、過去のお客様からの評価も表示。マナーや追加費用、工事品質など、気になる部分をレーダーチャートで表示することで、選びやすい環境を提供している。登録時に工事会社をスクリーニングすることで安心感をもって使えるサービスにしており、さらに過去の評価を蓄積することで、工事会社を見える化するサービス設計になっている」(川口氏)とした。
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