LIFULLが新しい家の探し方を提案している。9月にプロトタイプとして開発発表したAndroidアプリ「空飛ぶホームズくん」は、自由自在に街の上空を飛び回り、バーチャル内見ができる、VRを使った新感覚の"部屋探し”ができる。
空飛ぶホームズくんは、LIFULLのR&D部門である「LIFULL Lab」と、最新技術を使ったリアルとバーチャルをつなげる研究開発型の企業のホロラボ、東京と会津若松に拠点を置くテクノロジーとデザイン会社デザイニウムが、共同で開発。9月9~11日に大阪で開催した「不動産テックEXPO関西展」のLIFULLブースで公開された。
LIFULLでは、2016年に間取り図を自動解析して3Dモデルの部屋を生成するプロジェクト「Madori2VR」を開始。2018年には、部屋だけでなく、街そのものも3Dデータ化する「空飛ぶホームズくんPC版」、2019年にはスマートフォンだけで体験ができる「空飛ぶホームズくんAndroid版」を手掛けてきた。新型コロナ感染拡大を受けて広がる、非対面、非接触へのニーズの高まりに対し、今回、空飛ぶホームズくんAndroid版のプロトタイプを披露したという。
地図はGoogle MapのデータにLIFULL独自のテクスチャーを適用する形で生成し、建物の高さ情報や東京タワーといった象徴的な建物の形状などを再現。賃貸情報のある物件が表示され、クリックすると室内に入れる仕組み。室内の広さがつかめるほか、空から物件を探すことで、店がある、公園が近いなど周辺環境もわかる。
PCバージョンでは、HMDを装着することで、よりリアルな空からの部屋探しが可能。上空から街を見下ろして物件を探し、その中に入るなど、アトラクション的に楽しみながら部屋探しができる。いずれも、通常の間取り図、築年数、平米数といった基本情報も用意されている。
プロトタイプの段階だが、東京23区と大阪の一部の地区は3D化されているとのこと。今後はAIの解析精度を上げ、間取り図からより正確な3Dの部屋を構築していくとのこと。時間に合わせて部屋に入る日の光を変化させたり、地図上に坂道を再現させたりといったことも可能としている。
遠くの街へ引っ越すために物件を見に行けない、もっとたくさんの内見をしたいのに時間の制約があってできないなど、内見の制約を、新たな形を提案することで解決していきたいとしている。
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