国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月2日、物流拠点から住宅や指定地への配送(ラストワンマイル物流)において、「遠隔・非対面・非接触」を実現するための自動走行ロボットの技術開発に着手すると発表した。本事業では、開発した自動走行ロボットを用いて、集合住宅や市街地、商業施設、工業地帯などで走行させる実証を11月以降順次実施し、一部では公道での実証を行う。
事業期間は9月~2021年9月で、予算は3億円。NTTドコモ、日本郵便、TIS、パナソニック、本田技術研究所、楽天、QBIT Robotics、ソフトバンク、佐川急便、アイシン精機、東芝、京セラコミュニケーションシステムら12社が参画して全国10カ所で実証する。
採択されたQBIT Roboticsは、大規模施設における館内配送の具体的な課題やニーズを踏まえた上で、異種ロボット連携による館内配送サービスを開発・設計していると発表した。大規模オフィスビルにて、A4サイズの封筒状の荷物や小型段ボールなどの比較的小さい荷物から館内配送を行うことについて、株主である森トラストと検討を行い、実証実験を行う。
同実験場所は、森トラストが所有する管理ビルを予定。フィールドでの実証実験期間は、2021年4〜6月を予定する。
具体的には、各種宅配業者が行き交う荷受場から、画像コードで指定されたオフィスや店舗内のピンポイントな場所へ配送する一連の流れにおいて、複数種のロボットを活用する。
現時点では、荷受場で協働ロボットアームが荷物の状況から、現在利用できる自動走行ロボットを呼び出し、適切な自動走行ロボットへ荷物を積み込む。積込み後、自動走行ロボットは指定された行先へ移動し、到着後、行先箇所の連絡先へ通知。配送後は、適切な場所に移動して待機するといった運用方法をイメージしているという。
同社では、同実験で得た知見・ノウハウを用い、2021年後半を目途に「異種ロボット連携よる館内配送サービス」の事業化を検討。大規模オフィスビルや大規模商業施設をターゲットに販売を行う予定だ。
また、Withコロナ時代の施設環境整備に課題を抱える企業に対し、非接触・非対面による感染リスク低減と省人化による生産性向上が同時に見込めるロボットの活用を推進。ロボット活用の相談から具体的なロボット実装の提案、周辺機器を含めたシステム設計や環境の構築、導入支援や運用サポートまで支援していくとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス