ディー・エヌ・エー(DeNA)と東京農業大学は8月31日、国内外での食・農分野、および情報技術産業の発展を目的として、産学連携の包括連携協定を締結した。
東京農業大学の食農産業における深い知見とDeNAのもつインターネット及びAI技術を組み合わせることにより、各種産業における社会課題の解決に向けさまざまな取り組みを検討するという。
双方がそれぞれすでに取り組んでいる健康・ヘルスケア関連の既存事業領域等に加え、食農産業領域等DeNAとして新規領域となる分野での検討も予定だ。
将来の構想として、対象産業を限定せず幅広い領域に範囲を広げ、共同研究・教育・産業支援等、国内外の産業全体に寄与する幅広い取り組みを目指す。
DeNAはヘルスケア、ゲーム、エンターテインメント、スポーツ、ライブストリーミング、スマートシティ、Eコマースなどのさまざまな分野で、インターネットやAIを活用した事業を展開。またDeNAはクボタと食農産業領域における包括的業務提携に向けた検討を開始しており、本領域への取り組みを進めている。
そうした中でディー・エヌ・エー 取締役兼COOの岡村信悟氏は、「社会課題領域に挑戦していこうと思っている。交通、モビリティ、健康・ヘルスケアの分野に取り組んでいるが、食と農も興味深い。その分野こそインターネットやAIの活用が望まれて本格的になる領域。東京農業大学の知見と、(DeNAが持つ)ベイスターズのファン、ゲームのユーザーを持つノウハウ、実現したい価値とユーザーを結びつけ、新たな領域を実現したい」と説明した。
東京農業大学は「生命」「食料」「環境」「健康」「資源」「地域」「グローバル」と農業関連を網羅し、グローバル化も積極展開する農学系総合大学だ。学科数、学生数ともに農学系総合大学で日本一を誇る。世田谷キャンパス内に農生命科学研究所及びグローバル連携センターを設置し、国際化にも積極的に取り組んでいる。
東京農業大学 学長の髙野克己氏は、「大学として研究と教育の成果を発信し、社会に実装することは、大学だけでできることではない。お客様をいかに喜ばせるか、幸せにするかに積極的に取り組んでいるDeNAの技術は、われわれにとって価値がある。学術の世界だけでなく、実際の社会でも評価されること。DeNAの発想力、展開力は心強い」と語った。
横浜DeNAベイスターズの拠点である横浜市は、2027年に国際園芸博覧会(花博)を開催する準備を進めており、DeNAは検討段階からメンバーとして参加しているという。「まさに花博は食と農の分野だと思う。横浜市にあったまちづくり、ライフスタイルをつくるところに東京農業大学の知見が生かされるのではないかと期待している」(岡村氏)と語った。
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