データ分析企業のPalantir Technologiesは米国時間8月25日、ニューヨーク証券取引所に上場するための申請書類を提出した。新型コロナウイルスの感染拡大と経済危機の中で、ハイテク企業が富を拡大させていることを示す、新たな例だ。同社は米政府機関の契約を請け負い、議論の的にもなっている。
Palantirは、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず同社は急成長を遂げ、2020年第1四半期の売上高は4億8120万ドルで、前年同期から49%増加したと述べた。2019年の総売上高は7億4260万ドルだった。しかし同社は損失も計上しており、2019年の純損失は5億7960万ドル、株式報酬を除いて3億3770万ドルだった。Palantirの共同創設者であるPeter Thiel氏は、PayPalの共同創設者でもあり、現在はFacebookの取締役を務めており、Donald Trump大統領の支持者であることを声高に表明している。
Palantirは、Apple、Amazon、Facebook、Googleといったハイテク業界の他の企業ほど知名度は高くない。その理由の1つは、同社が軍事産業や諜報機関を対象とした技術の構築を専門としていることだ。同社は自社製品を、膨大な量の情報の整理を支援することにより、他の方法では見つけにくいトレンドなどの重要な情報を顧客が特定できるようにするものと表現している。
しかし、ハイテク企業と政府のつながりは、政府による監視やさまざまな軍事プログラムの危険性に関する懸念を巻き起こしている。例えばGoogleやMicrosoftの従業員らは、軍事に関わる自社の取り組みに反対してきた。
Palantirの共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるAlex Karp氏は申請書類の中で、「当社は立場を選んだのであり、パートナーらが当社のコミットメントを評価していることは分かっている。役に立てる時は協力するし、そうでない時はしない」と述べた。
Karp氏はまた、人々の情報を収集してターゲティング広告に利用しているIT企業を批判し、「消費者を相手にする多くのインターネット企業にとって、私たちの思想や好み、行動、ブラウジングの習慣は商品だ」と述べ、「当社のソフトウェアは、テロリストを攻撃して兵士の安全を維持するために使われている」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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