Gartnerは、さまざまな新興技術に対する関心の高さや普及度合いなどをまとめたグラフ「Hype Cycle for Emerging Technologies, 2020(先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年)」を公開(英語、日本語)した。
ハイプサイクルは、何らかの技術が登場して期待が高まり、次第に普及していく過程を(1)黎明期(Innovation Trigger)、(2)過度な期待のピーク期(Peak of Inflated Expectations)、(3)幻滅期(Trough of Disillusionment)、(4)啓蒙活動期(Slope of Enlightenment)、(5)生産性の安定期(Plateau of Productivity)という5つのフェーズに分類するもの。特定の技術が成熟するまでのどの段階にあるかを見極める助けになる。Gartnerは、企業経営者や投資家、マーケター、研究開発チームなどが技術を検討する際に考慮すべき情報だとしている。
ハイプサイクルのグラフでは、各技術がどのフェーズにあるのか、その技術が何年後に生産性の安定期に入るのか、もしくは安定期に達する前に陳腐化してしまうのかについて、予測が記されている。
今回の最新版では、30種類の「必見」技術を取り上げた。特に「Social Distancing Technologies(ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジ)」「Composable Enterprise(コンポーザブル・エンタプライズ)」「AI-Assisted Design(AI支援型設計)」「Differential Privacy(差分プライバシー)」「Biodegradable Sensors(生物分解性センサ)」という5つの技術に注目すべきだそうだ。
なかでも、ソーシャル・ディスタンシング・テクノロジは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックを受けて例外的に突如ハイプサイクルに登場し、大きな影響を及ぼしたという。COVID-19関係では、現時点で市場浸透度が5%から20%にとどまっていて、通常は取り上げられない「Health Passports(ヘルス・パスポート)」も、黎明期とされた。中国とインドでは公共交通機関の利用で必須とされることもあり、利用者が多く存在する。これら両技術は、2年かからずに生産の安定期に達する、と予測された。
また、今後10年間の技術イノベーションを推し進める先進トレンドを、5つのジャンルに分けた。各ジャンルに含まれる技術は以下のとおり。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス