ザッカーバーグ氏が買収前のInstagramを脅威と認識していたとの指摘--GAFAトップの公聴会

Queenie Wong (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 長谷睦 (ガリレオ)2020年07月30日 13時00分

 Facebookが人気の高い写真共有サービスのInstagramを買収した件に関して、複数の米下院議員が米国時間7月29日、最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏を追及した。議員らは、競合他社を買収、模倣することで競争を阻害しているとしてFacebookを非難した。

提供:Screenshot by Queenie Wong/CNET
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 米下院司法委員会の反トラスト法に関する小委員会のメンバーは、長時間に及んだ公聴会で、Zuckerberg氏が2012年に送信したメールを提示し、FacebookがInstagramを競争上の脅威と認識していた証拠だと指摘した。委員会は、圧倒的な力を持つ大手ハイテク企業に対する反トラスト法(独占禁止法)調査の一環として、さまざまな文書を集めている。

 Zuckerberg氏は2012年2月、当時の最高財務責任者(CFO)David Ebersman氏に送ったメールで、InstagramやPathなど、Facebookと競合していたモバイルアプリに買収を持ちかけるためにどれほどの金額を提示しようかと考えていると伝えていた。

 またZuckerberg氏は、下院司法委員会が公開したこのメールの中で、「これらの企業はまだ生まれて間もないが、ネットワークが構築されており、ブランドは意義のあるものになっている。もしこうした企業が大きく成長すれば、われわれにとって非常に破壊的な影響を及ぼす可能性がある」としていた。

 Zuckerberg氏はEbersman氏に宛てたその後のメールで、FacebookがInstagramやPathを買収するのは、「いかなる形でも、彼らとの競争を避けるため」ではないと、自らの意図を釈明している。

 Zuckerberg氏はInstagramについて、モバイルフォトシェアリングという点で競合でもあり、補完的なサービスでもあると認識していたと述べた。

 同氏は「当時、Instagramが一般的なソーシャルネットワークだと考えていた人はほぼいなかった。人々はこの分野で彼らがわれわれと競合しているとは考えていなかった」と述べた。買収は「大成功」だったとし、Facebookが投資したことが要因の1つだったと話した。Instagramは特にティーンの間で人気が高まり、ユーザーは10億人を超えている。

 また一部の議員は、委員会に提出された文書を引用し、FacebookがInstagramを模倣したと指摘した。カメラ機能をリリースし、Instagramの共同創業者Kevin Systrom氏が買収に合意するよう働きかけるために利用したと述べた。

 Zuckerberg氏は、「それは、さまざまな形でわれわれが競争しようとしている分野であることは明らかだった。私は決して、これらの会話を脅威だとは認識していない」と述べた。

 Systrom氏と投資家Matt Cohler氏が交わしたオンラインチャットでは、Instagramが同社に加わることに合意しなければ、Facebookが「破壊するようなやり方」を進めるかもしれないと両氏が懸念していたことが分かる。

 また議員は、FacebookがSnapchatの買収に関心を寄せていた際、同社の共同創業者Evan Spiegel氏にも同じように圧力をかけていたと指摘した。

 過去の発言について指摘されたZuckerberg氏は、そのような内容を書いたことを思い出せないが、「ジョークのようだ」と述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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