鉄道やバスなどの座席で見ず知らずの人と隣り合わせになると、スマートフォンやタブレットの表示内容が盗み見られそうで、操作を控えることがある。画面にプライバシフィルターを装着すれば横方向から見えにくくなるものの、完全には隠せない。しかも、真後ろの人には見えてしまう。
これに対しAppleは、デバイス2台の組み合わせでプライバシー保護する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間7月16日に「PRIVACY SCREEN」(公開特許番号「US 2020/0225901 A1」)として公開された。出願日は2020年3月27日。
この特許は、表示機能を備えるスマートフォンのようなデバイスとARゴーグルのようなデバイスを組み合わせ、本来であればスマートフォン側に表示する情報をARゴーグルに表示することで、スマートフォンの盗み見を防ごうというもの。スマートフォンには何も表示されず、ARゴーグルの表示はユーザーからしか見えないので、他の人に情報を見せずに済む。
ARゴーグルは画像センサーを搭載しており、スマートフォンについて見かけの大きさや相対位置といったデータを得られる。そこで、このデータを利用し、ARゴーグル越しに見えるスマートフォンに情報を重ねて表示するのだ。こうすることで、ARゴーグルを装着したユーザーは、何も表示していないスマートフォンを持っているにもかかわらず、自然な操作が可能となる。
この技術は、ノートPCのようなデバイスにも適用できる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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