Facebookは、複数の人権団体によって組織された広告ボイコットの問題に対処しているが、最大規模の広告主であるDisneyからの多額の広告収入を失ったと報じられている。エンターテインメント大手のDisneyが、Facebookへの広告支出を大幅に削減したという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間7月18日、匿名情報筋の話として報じた。
WSJによると、動画配信サービス「Disney+」の広告、Facebook傘下Instagramへの「Hulu」の広告も停止されている。広告削減の期間は明らかにされていないという。
Facebookにヘイトスピーチや偽情報への対策を強化するよう促すボイコット運動#StopHateforProfitキャンペーンが展開されている。Microsoft、Verizon、Volkswagen、Sony Interactiveなどを含む多数のブランドが、このボイコット運動への参加を表明している。
Disneyはこれらのブランドのように、参加を正式に発表しておらず、Facebookへの広告をひそかに削減しているようだ。#StopHateforProfitキャンペーンは、名誉毀損防止同盟(ADL)、全米黒人地位向上協会(NAACP)などの人権団体が6月に始めた。
WSJによると、米国でDisneyは2020年1~6月、Facebook最大の広告主となっている。2019年はHome Depotに続く第2位だったという。
Disneyはパンデミックの期間中に、Disney+のマーケティングを推進しており、2020年上期には米国で、Disney+のFacebookへの広告に推計2億1000万ドル(約225億円)を支出しているとWSJは報じた。
Disneyは、「不快なコンテンツに対するFacebookのポリシーの適用方法について懸念している」とWSJは伝えている。
広告ボイコットを組織する団体は7月初旬、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏らFacebookの幹部と会談したが、Facebookは「従来と同じ論点を繰り返してわれわれをなだめようとした」と述べていた。
米CNETはWSJの報道についてDisneyにコメントを求めたが、回答は得られていない。
Facebookの広報担当者は米CNETに対し、同社は年間数十億ドルを投じてユーザーの安全を維持しようとしており、社外の専門家と協力し、ポリシーの見直し、改善に努めているとコメントした。
同社は、「われわれにはまだやるべきことがあると認識している」とし、「今後も人権団体や(中略)、専門家らと連携してさらなるツール、技術、ポリシーを構築し、この問題に取り組んでいく」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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