太陽や雨に頼る「1万年続いた農業」を脱却したBowery Farmingの挑戦 - (page 2)

Claire Reilly (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年07月17日 07時30分

都市の中心部で解決に取り組む

 世界的な気候変動という観点から農業の未来を考えると、お先真っ暗のように思える。だが、Bowery Farmingは、都市に暮らす人々に向けた食料栽培に対する考え方を変えたいと考えている。従来の農業のように大量の水は使わない。

 厳重に管理された、まるで実験室のような環境で、同社は野菜を種子から栽培している。野菜の苗は、太陽光を再現するように調整されたLED照明の下で水耕栽培される。これらの苗はラックに収納されて、ロボットのコンベヤーベルトで倉庫内を移動できるようになっているため、作業者はあらゆる作物に簡単にアクセスできる。また、施設全体で浄水を使用しており、廃棄物を最小限に抑えるため、この水はシステムを通して再利用される。

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提供:Claire Reilly/CNET

 この「農場」(使い捨ての防護服とヘアネット、靴のカバーを身に着けていることを考えると、こう呼ぶのは奇妙に感じるが)の内部では、全く同じサイズの、遺伝子組み換えでない苗が何列にもわたって完璧な間隔で配置され、明るい白色光の下で栽培されている。写真撮影用と言わんばかりの、完璧な見た目の緑のレタスが並ぶトレーを見せられた。確かに、誰かが見学に来たときは、いつも最も見栄えのよい作物を出してくるのだろう。だが、Bowery Farmingのこの倉庫には、カリスマ主婦のマーサ・スチュワートさんとSF映画「ガタカ」が融合したような雰囲気が漂っている。つまり、健全な食料が、完璧な形になるように作られているのだ。

 「完全に制御され、閉ざされた環境で栽培しているので、天候や季節の変化に全く左右されずに、1年365日栽培することが可能だ」。Bowery Farmingの最高経営責任者(CEO)のIrving Fain氏は、そう語る。

 Fain氏の人柄は、まさにシリコンバレーの新興企業のトップを思い出させる。人工農薬と人工知能(AI)の話を違和感なく行ったり来たりするのだ。Bowery Farmingは、UberのCEOであるDara Khosrowshahi氏やGoogleの親会社Alphabetから出資を受けており、農産業に革新的な変化をもたらすことを約束している。同氏によると、それは「1万年続いてきた農業からの脱却」を意味するという。太陽や雨、季節に依存しなくなる、ということだ。

 「Boweryの作物にとっては、毎日が最適な1日だ。われわれには、必要な光と水、栄養素を、常にすべての作物に提供できる能力がある」(Fain氏)

 農業にテクノロジーを持ち込むことで、水の使用から栄養素、さらには光まで、作物の栽培のあらゆる側面を監視・制御し、プログラムできるようになる。Bowery Farmingは、そのプログラムのことを「レシピ」と呼んでいる。こうした変動要素が、作物の最終的な収穫高やそれぞれの苗のサイズだけでなく、味にも影響を与える。

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