Appleが拡張現実(AR)機能を強化した「iPad Pro」を発売してから数カ月が経過したが、このデバイスに新たに搭載されたLiDAR深度センサーを活用するARアプリは比較的少数に限られているのが現状だ。この背面のセンサーは「iPhone」の次期モデルに搭載される技術を予告するものなのかもしれない。つまり、一足早くリリースされたiPad Proアプリを見れば、Appleが次にどのような領域に進出するのかが分かる可能性がある。そして、強化された深度センサーを使った次世代アプリの方向性を最もはっきりと示しているのは、Occipitalの住宅スキャンアプリ「Canvas」の最新バージョンかもしれない。
コロラド州ボルダーに本社を置くOccipitalは、深度計測カメラのハードウェアやソフトウェアを長年にわたり開発してきた。同社のデバイス「Structure Sensor」をiPadに取り付ければ、Canvasアプリによって部屋の高度なスキャンが可能になる。6D.aiなどの企業は、深度計測用のハードウェアを追加することなく空間を計測しマッピングする技術を開発しており、Occipitalもソフトウェアベースのアプローチに軸足を移してきた。
CanvasはこのほどiPad ProのLiDARセンサーに対応し、その高度な深度計測機能を利用して追加デバイスなしで部屋をスキャンできるようにした。Occipitalはまた、iPhoneや他のiPadに標準搭載されたカメラを使って、時間をかけずに室内のメッシュデータを作成し、部屋をマッピングする機能にも取り組んでいる。
Canvasによる部屋のスキャンデータは解像度が低いように見えることもあるが、データの精度は時間と共に向上させられる。さらに、スキャンデータはプロの設計者が利用するCADモデルにも変換できる。
2020年版iPad ProがAppleのAR対応デバイス全体に占める割合は小さいため、そのLiDARセンサーを活用している開発者はあまり多くないとみられる。LiDARセンサーがiPhoneシリーズや他のiPadモデルにも採用されれば、Occipitalが進めているような取り組みが他社でも始まる可能性が高い。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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