「特にこれといった不幸に見舞われているわけではないが、毎日、なんとなく虚無感を抱いている」といった状態もあれば、「自分の考えを伝えるのが難しく、毎日我慢の連続で、生きることそのものがつらい」など、人の心の悩みは千差万別だ。本書は、どのような悩みでも、心が苦しくてなんとかしたいという人の助けになってくれる1冊。
本書は、ゲームが大好きな内科医である著者が、「生きること」をゲームに例えて、キャラクター分析(自分の性格や性質の分析)や困難の攻略法を教えてくれる、「メンタル・クエスト」の攻略本となっている点が面白い。ゲームとして考えてみると、「この状況はそういうことか」と突破口が見つかりやすくなる。中にいると分からない迷路も、俯瞰して見れば、どちらに進むのが良いか、簡単に分かるのに似ている。
終始、寄り添って話してくれているような、温かい語り口で、どんどん読み進められるのも、心が弱っている人間にはありがたい。不安を少し取り除けたり、人や自分を少し信頼できるようになる手助けをしてくれる人は、医者であってもそれほど多くない。コロナウィルスの影響により、いろいろと参ってしまっているような状況の人にもお勧めしたい。
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