GAテクノロジーズが中華圏の不動産投資家獲得に乗り出す。6月11日、中華圏最大級の日本不動産プラットフォーム「神居秒算(しんきょびょうさん)」事業をNeoX(ネオックス)から取得することで基本合意書を締結すると発表した。国際事業部を立ち上げ、中華圏に向けた不動産プラットフォーム事業を開始する。
神居秒算は、自社開発の拡張現実(AR)アプリと、日本の15万棟以上の分譲マンションのデータ、20年間の取引データを網羅したデータベースを活用した不動産プラットフォーム。2017年1月に中国上海で設立したNeoX Chinaと東京都渋谷区に本社を構えるNeoXが共同運営しており、中華圏の投資家向けに、日本不動産情報を提供。日本国内の不動産事業者に対しては中華圏の投資家への販売チャネルとしての役割を担う。
GAテクノロジーズ 代表取締役社長CEOの樋口龍氏は「神居秒算は顧客の59%が資産5000万円以上の富裕層。一方、GAテクノロジーズが運営するRENOSYで、資産5000万円以上の顧客は全体の2.2%。神居秒算を取得することで、RENOSYはより顧客属性の高いメディアになる。あわせて、投資用物件においては、今までの買い手は日本国内だったが、購入層が中華圏に広がり、マーケット全体が拡大する」と事業取得に至った理由を説明した。
また、建設や金融、保険と、不動産を軸に、新たな展開を見据えるGAテクノロジーズの戦略においても「中華圏の富裕層に対し、当初は不動産を提供するが、将来的には車や旅行、金融といった商材も展開していきたい。不動産を軸に建設、金融、保険などの分野への進出を考えるGAテクノロジーズの戦略の足がかりにもなると考えている」と幅広いシナジー効果を期待する。
NeoXグループ 代表取締役(執行董事総経理)の何書勉(ほう・しゅうめん)氏は「私は空間データベースとAIの専門家。3年前に中国人が日本国内の不動産投資に興味を持っていると知り、サービスを立ち上げた。神居秒算は日本不動産サイト中でも最先端の技術が凝縮されているサービスと自負している。1月に樋口さんと出会い、問題意識が似ており、目指す方向は全く一緒ということがわかった。その時点で敵になるのか戦友になるのか悩んだが、戦友になることを選んだ」とコメントした。
今後は神居秒算のサービス運営をGAテクノロジーズが担い、国内の不動産事業者への営業力を強化することで、掲載数の増加と商品力強化を目指す。
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