共和薬品工業とFRONTEOは6月3日、認知症診断支援AIシステム(医療機器)に関し、事業提携契約を締結したと発表した。
認知症診断支援AIシステムは、FRONTEO独自の自然言語解析AI「Concept Encoder」を活用し、患者と医師による5〜10分程度の会話から認知機能障害の有無を判定できるシステム。
2020年2月の基本合意以降、両社は同システムの研究、開発、マーケティング、販売など、新たな開発・販売体制の構築について協議を行ってきたという。
今回の契約では、共和薬品のもつ精神科領域における経験や販売力とFRONTEOのもつAIテクノロジーやデジタルナレッジを生かし、同システムの価値最大化を目指す。
なお、提携の対価として、共和薬品はFRONTEOに契約一時金、開発、販売マイルストンおよび、売上に基づくロイヤリティを支払い、FRONTEOは共和薬品に最終製品を供給するという。
両社によると現在、日本における認知症患者は600万人を超え、認知症発症リスクが高いとされる後期高齢者数は約1800万人に達しているという。今後長期にわたり超高齢化社会を迎える日本にとって、認知症対策は国家的な課題になっている。
この課題に対し、同システムでは、患者と診療する医療従事者双方の身体的かつ、心理的負担を軽減できるほか、認知症の早期発見と医療の効率化、遠隔診療をはじめとするデジタル医療の進展などで貢献できるとしている。
また、同システムは、専門的な会話や問診ではなく、ごく自然な会話を通じて認知症の診断をサポートできる世界初のシステムであり、言語系人工知能(AI)を活用した医療機器として、世界に先駆け日本での早期承認取得を目指しているという。
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