「Android」スマートフォンに搭載されたチップは長年、スピードテストでAppleの「iPhone」に搭載されたプロセッサーの後塵を拝してきた。しかし、モバイルの両陣営が技術を採用する英チップ企業、Armの新たなチップ設計「Cortex-X1」によって、Androidスマートフォンは大幅に高速化するはずだ。
Armは現地時間5月26日、新たなプロセッサー設計「Cortex-A78」を発表した。同社クライアントビジネスを統括するPaul Williamson氏によると、現行の「Cortex-A77」と比べて20%の高速化が見込めるという。同社はさらに、Cortexのカスタマイズを可能にする「Arm Cortex-X Custom」プログラムと、同プログラムによってピーク時パフォーマンスが30%向上したCortex-X1を初公開した。
この性能強化は、Androidスマートフォンの最上位機種に加え、一部のノートPCの性能向上にもつながるだろう。具体的には、Microsoftの「Surface Pro X」のように、Intelの「Core」シリーズではなくArmベースのチップを採用している製品が該当する。とはいえ、最も重要なのはiPhoneとの競争だ。「iPhone 11 Pro」はGeekbenchのスピードテストで、サムスンのフラグシップ機「Galaxy S20 Ultra」の840をはるかに上回る1328というスコアを達成している。前世代の「iPhone X」でさえもスコアは918であり、Galaxy S20 Ultraより2年以上早く登場したにもかかわらずスコアで勝っている。
ArmはCortex-X1で、性能向上を目指して設計をカスタマイズするチップメーカーを支援していく。Cortex-A78をさらに高速化するには、チップメーカーの優先順位に応じて、製造コストが増すチップの大型化か、消費電力が増える設計のいずれか、または両方が必要になると、Williamson氏は説明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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