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ソニー、ブイロガーのためのカメラ「VLOGCAM」誕生--自撮り、レビューも素早くきれいに

加納恵（編集部）2020年05月27日 10時00分

　ソニーは5月27日、ブイロガーのためのカメラ「VLOGCAM （ブイログカム）ZV-1/ZV-1G」を発表した。コンテンツが急増しているブイログに特化した、小型、軽量ボディやピンぼけ、ウインドノイズを抑える機能を搭載する。発売は6月19日、店頭想定税別価格は本体のみのZV-1が9万1000円前後、本体とシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を組み合わせたZV-1Gが10万4000円前後になる。

ブイロガーのためのカメラ「VLOGCAM」

「VLOGCAM （ブイログカム）ZV-1」

本体とシューティンググリップを組み合わせた「VLOGCAM ZV-1G」。ZV-1/ZV-1Gともにウインドスクリーンが付属する

　文章の代わりに短い映像を投稿するブイログは、ここ数年急速に投稿数が増加。主な撮影機材としてスマートフォンが使われているが、扱いやすさや撮影機能などを求めて専用機の需要が高まっている。

　VLOGCAMは、ブイロガーたちへの調査から見えてきた撮影機材に対する不満点を解消するために開発された新しいカメラ。カメラ開発で培った高画質、高性能技術を組み込みながら、「すぐ、簡単に使える」機動性も確保する。

　ボディは「サイバーショット RX」を継承したデザインで、高さ60mm×幅105.4mm×奥行き44mmで、重量約294gの小型、軽量を実現。メモリー一体1.0型積層型CMOSセンサーを搭載し、30p/24pの4K動画、960fps, 480fps、240fpsでのハイフレームレート撮影に対応。24～70mm、F1.8～2.8レンズを備え、3.0型可動式液晶モニターを装備する。MI（マルチインターフェース）シューを採用し、着脱できるウインドスクリーンを付属する。

上部のMIシューにアクセサリを装着した時の拡張性を維持するため、横開きのバリアングル液晶を採用している

　ブイログにコスメやガジェットなどのレビュー投稿が多いことを受け、「商品レビュー設定」を用意。これは顔の前に商品をかざすと、顔にピントが合ってしまい商品にピントが合わないという不満を解消する機能。通常のカメラでは、商品の後ろに手をあてて、顔を隠すことで商品にピントを合わせるなど工夫が必要だった。商品レビュー設定では、背面の削除ボタンに「C2ボタン」を割り当て、オンにすると顔と商品でピントの行き来ができるようになる。顔検出機能をオフにすることで、ピントの行き来を実現している。

　また、背景ぼけが瞬時にできる切り換えボタンも用意。クリアに撮影する際はF5.6、ぼけさせる時はF1.8とF値を切り換えることで変更しているとのこと。「カメラに詳しい人であればできる設定変更だが、メニューの中から設定を切り換えるのは面倒。その手間をなくしワンタッチでできるようにした」（ソニー担当者）と、使いやすさにこだわる。

　加えて、像面位相差AFで素早いフォーカスができる「ファストハイブリッドAFシステム」、瞳にピントが合い対象を捕捉する「リアルタイム瞳AF」、自動で対象を追いかける「リアルタイムトラッキング」など、デジタルカメラで培ったオートフォーカス技術を投入。日常風景での撮影がメインとなるブイログでもピンぼけを防止し、撮影をサポートする。

　人物撮影が多いことを考慮し、肌を理想的な色にする「ナチュラルスキントーン」、顔を検出し最適な露出で顔を際立たる「顔優先AE」、動画時でも、美肌効果が得られる「美肌効果」機能も備え、美しい肌を再現。

　顔優先AEは、背景は白飛びなどしてはっきり映らなくても人の顔を際立たせる機能で、通常のカメラとは異なる映像表現を採用する。

　本体には、前方の音声をしっかりと捉える「指向性3カプセルマイク」を搭載するほか、外部マイク端子も装備。ウインドノイズを低減させるため、3カプセルマイクとマイクグリルの間に風低減スクリーンを挟む機構を採用する。また手ブレ補正は、歩行時にも強い「アクティブモード」へと進化し、歩いての自撮りでもより安定した映像が撮れる。

　発売に合わせ、6月19日から9月28日までに購入した人を対象に「Adobe Premiere Rush”3カ月無料キャンペーン」も実施。月額税別980円の「Adobe Premiere Rush」が3カ月無料で使えるもので、ブイログに不可欠な編集ソフトまでをサポートする。