同社を取り巻く直近の環境についても説明した。梅田氏は、「4月の販売高は、全体で8割を少し切るぐらい。3月は中国のサプライチェーンの問題による販売減であったが、4月は需要面での影響に変わっている。事業規模が小さいインドは販売実績がゼロだったが、事業規模が大きい日本は前年同月比9割、中国は同100%近い形になっている。ロックダウンがあった北米は半分、欧州や東南アジアは6割程度になっている。中南米、中近東はかなり落ちている。だが、新型コロナウイルスの影響は、4月をボトムとみており、5月から6月にかけて緩やかに回復し、第2四半期にはそれなりの形になり、下期には前年並の販売実績になるだろう」との見通しを示した。
また、「中国からのサプライチェーンの問題については、影響は少なくなっている。ただ、全世界に影響するものなので、サプライチェーンが途絶えてしまうというリスクはある。とはいえ、今回の新型コロナによって、サプライチェーンをどこかに集約するとか、移動させるといったことは考えていない。とはいえ、複数の工場でいくつかのものを素早く立ち上げることは有効な対策であると感じた。ひとつのものだけを生産するのではなく、すぐに切り替えて、サプライチェーンを維持するといったやり方が必要だと感じた」とコメントした。
さらに、製品開発に関しては、「新製品の開発は、1~2カ月ほど遅れる状況も生まれている。現在、さまざまなツールを活用して、リモートでの開発を進めている。VPNを活用して、本社のホストにアクセスしながら、数多くの製品開発を進めているところだ。日を追うごとに慣れてきて、スムーズに進むようになってきている」とする一方、「試験設備を使って、実験検証をする場合は、バーチャルでやることは難しい」とした。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大への対応としては、「ステークホルダーの健康と安全確保」、「社会への貢献」、「事業継続性の確保」の3点をあげ、「各国や地域の法令、方針に従い、在宅勤務や工場での感染予防対策など、感染症拡大防止を最優先とした取り組みを実行。グループのリソースを活用して、国内外の各国の状況に応じた製品やサービス、医療物資の提供などを行い、社会の不安解消に寄与する。そして、社会的責任を遂行するため、工場での生産、サプライチェーンの維持や確保、新型コロナウイルスの影響の長期化に備えた資金の流動性確保など、あらゆる観点で、事業継続性のための対応策を進める」と語った。
また、東京オリンピック、パラリンピックが延期したことによる影響については、「当初は、東京オリンピック、パラリンピック関連で1500億円程度の売上げを目標としていたが、すでにこれを上回る実績となっており、順調に消化をしている。延期になったことで、一部納品がずれるということも出ているが、大きなダメージになるということは考えていない」と述べた。
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