電子楽器全盛の現代でも、昔ながらの生楽器から生み出される音色には太刀打ちできない場面が多い。大抵の生楽器はシンセサイザーでそっくりな音を作れるものの、音色と一緒に生ずるノイズが味になることもある。その一方、生楽器は機構上の制約が大きく、電子楽器の利便性も捨てがたい。そこで、両者をうまく融合させた楽器は重宝される。
そんな電子楽器と生楽器をうまく組み合わせた例として、スマートフォンから操作可能なオルゴール「Muro Box」を紹介しよう。現在クラウドファンディングサービス「Indiegogo」で支援募集中。
Muro Boxは、櫛(くし)歯を弾くシリンダーのピンが固定されておらず、任意のタイミングで任意の櫛を弾くことのできるオルゴール。弾く順番はスマートフォンのアプリから指定可能なので、1つの曲しか演奏できない通常のオルゴールと違い、アプリで設定すればどんな曲でも対応可能だ。
演奏させる曲はアプリ上のリストから選べるほか、好きな曲や自作曲のデータを入力したり、MIDIファイルを取り込んだりもできる。演奏用データをMuro Box用クラウドへアップロードして、ほかのユーザーと共有する楽しみ方もある。
リアルタイムにその場で演奏させるだけでなく、指定した時間に自動演奏させて目覚ましとして使うことも可能。離れた場所にあるMuro Boxをインターネット経由で操作して、演奏させる機能もある。
演奏可能な音域はC3からA5の20音、約2.5オクターブで、半音には対応していない。ただし、今後半音にも対応した40音バージョンを開発するとしている。同じ音程の音は1秒間に最大4回鳴らすことが可能で、BPMを120にすると8分音符の分解能になる。また、同時に7つの音を鳴らせるので、和音も演奏できる。
Indiegogoでの目標金額は1万5000ドル(約161万円)。記事執筆時点(日本時間5月13日11時)でキャンペーン期間は37日残っているが、すでに目標の7倍を上回る約10万7000ドル(約1147万円)の資金を集めている。
なお、集まった金額が20万ドル(約2144万円)になったら電源ポートをDCジャックからUSB Type-Cポートへ変更、30万ドル(約3215万円)になったらMIDI入力に対応、50万ドル(約5359万円)になったらマイク出力に対応、というアップグレードを計画している。
Muro Boxの紹介ビデオ(出典:YouTube)
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