そして、オンライン授業開始の朝、寝坊が習慣となっていた姉妹が早起きしてきた。次女は「カメラをオンにしろと言われたら困る」と、学校に行くときのように髪を入念に直していた。決められた時間に授業が始まることで、我が家に活気が戻っていた。
次女の高校は本格的な授業ではなかったが、先生が出席を取り、今後の説明などをしたようだ。突然新たなアプリを入れるように言われ、アプリのインストールを親の許可制にしている生徒が使えなかったなど、まだトラブルはあった。学校側もどのツールが最適なのか探っている段階なのだろう。現在は徐々に増え、用途別に5種類のサービスを使用している。利用サービスが絞られると混乱も減っていきそうだ。
長女の大学は、通常の時間割がそのままオンラインにシフトした形だ。Zoomによる講義は、基本学生のカメラとマイクをオフにして行われる。5月11日は一斉にオンライン授業が始まったこともあり、一部でネットワークが不安定になるなどしていたようだが、長女の環境では特に遅延はなかった。しかし、先生が学生の顔を見たいとカメラをオンにするよう言ったところ、急にネットワークが不安定になったという。
また、カメラやマイクをオフにする方法を知らず、家族が一緒に映ったり、独り言が常に流れたりしてしまった学生もいたらしい。PCやネットワークトラブルなどの問題で授業に参加できない学生もいた可能性があるが、通常の欠席と区別がつかないため、今は出欠席について厳重に管理していないようだ。
オンライン授業1日目を終えて、2人に感想を聞いた。朝から夕方まで授業を受けた長女は、カメラもマイクもオフなのでただ見ているだけだったと、それほど疲れていないようだった。次女は友人が集まったことが嬉しかったらしく、参加メンバーを見せてくれた。また、先生の家に宅配便が来た、マイクをオフにせずトイレに行った人がいたなど、在宅ならではのハプニングを話し、食卓は盛り上がった。
親の立場では、オンライン授業はいくらでもサボれることが気になった。マイクとカメラをオフにすれば、授業を聞いていなくても先生には見つからない。教室と違って自分の部屋には誘惑がいっぱいだ。講義に集中せず、机を片づけたりSNSを見たりと自由に過ごせてしまう。また、高校ではオンライン授業で学べない教科をどうサポートしていくのかも気になる。先生方も動画を作って配布するなど工夫を重ねている様子なので、今後何らかの対策がされるのであろう。
オンライン授業初日を終えた率直な感想は、「これがおおよそ夏まで続いて、学力は大丈夫なのか」という気持ちだ。それでもオンライン授業が始まっただけ、我が家の子どもたちは幸運なのだと思う。まだ1日目ということもあり、学校も先生も手探り状態で、子どもたちも戸惑いの方が大きい。今後オンライン授業がどうなっていくのか、また時期を見てお伝えしたい。
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