拡張現実(AR)がもたらす未来の世界はまだ地平線上に見えているようだが、その可能性を追求する企業各社は、そこにたどり着くまでにいくつかの問題に直面している。Magic Leapはかつては消費者向け製品の提供という大きな野望を抱いていたが、2019年には法人市場重視に方向転換していた。そのMagic Leapが米国時間4月22日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での財務上の制約を理由に大規模な人員整理を発表した。
Magic Leapの最高経営責任者(CEO)を務めるRony Abovitz氏は今回のリストラ発表に触れたブログ記事のなかで、「Magic Leapの将来に向けた体制を整えるために当社の事業を慎重に検討した上で、明確な目標に基づいて事業運営とコスト管理に変更を加えることにした」と説明している。「これに伴い、Magic Leap全体で多数の従業員を解雇するという非常に難しい決断を下さなければならなくなった」(Abovitz氏)
Abovitz氏は、同社のAR端末「Magic Leap 2」について開発はまだ続いているとしている。「当社を現在の新しい市場の現実に適応させ、法人市場をより重視するには、当社技術の進歩、Magic Leap 2の確実なリリース、製品と市場の適合性と収益の生成の拡大につながる事業分野に集中できるように、われわれの取り組みを調整しなければならない」(Abovitz氏)
Magic Leapの初代ヘッドセットは、多くの面においてどう考えても開発者向けの製品で、価格は一般的な消費者が支払える金額をはるかに上回っていた。一方、QualcommやAppleといった他の企業では、より小型で手頃な価格のヘッドセットを通じて動作するARや、スマートフォンやタブレット上で直接動作するARに注力している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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