新型コロナウイルスの拡散を制御して米国のロックダウンを解除するには、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の信頼できる正確な検査が必要だ。しかし、検査件数の不足、結果を待つ時間の長さなど、米国はいくつもの課題に直面している。その一因は、試験の大半が手作業で行われているという事実だ。さらに、手作業では検査技師がウイルスに感染するリスクも増す。
検査のプロセスを迅速化しつつ検査技師を守るため、ソフトウェアとロボットを手がけるBright Machinesは、人がほとんど関与せずにCOVID-19の検体検査ができるロボットシステムの共同開発を主導している。同社によると、検査プロセスを自動化することで、年中無休の24時間検査が可能になり、1日の検査件数を大幅に増やせるという。
Bright Machinesのシステムエンジニア、Hagai Bar氏は次のように述べた。「私はこれまで、『ロボットが仕事を奪おうとしている』と思われるようなプロジェクトに参加してきたが、この取り組みはまさに命を救う。(中略)不要な手作業をすべて置き換えるだけだ」
Bright Machinesは通常、電子機器メーカーと協力し、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて製品の組み立てと検査に使う「マイクロファクトリー」を開発している。今回のCOVID-19検査機械では、提携するテルアビブのIchilov Hospital Laboratory、Impact Lab、iCobotsと共に、Bright Machinesの標準的な構成部品であるロボットセル、デュアルコンベア、ロボットアーム、ビジョンシステムなどを応用する。Bar氏によると、ロボットはさまざまなサイズの試験管を開き、被験者の試験管からサンプルを抽出して対照管に移すようプログラムされており、こうしたプロセス全体を通じてビジョンシステムがパフォーマンスを検証するという。
この装置は、近くIchilov Hospital Laboratoryに運ばれる。設置してから完全に稼働するまでに数週間を要する見通しだとBar氏は述べた。ほかにも世界中のさまざまな検査施設が、このソリューションに関して同社と連絡を取っており、交渉が進行中だという。
「このプロジェクトはまさに、製造全般、とりわけ医療分野における自動化の重要性に光を当てている。(中略)繰り返しの多い、危険な手作業はなくすべきだ。ロボットなら、疲れることもミスを犯すこともなく、検査機関が24時間稼働できるようになる」(Bar氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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