新型コロナウイルス関連

パンデミックで注目集まる医療用ロボット--医療従事者の救世主になるか

Greg Nichols (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2020年03月24日 07時30分

 医療用ロボットは、病院の作業負荷を軽減することができる。病気の流行時には、医療スタッフの負担を減らすことで患者の救命につながり、医療従事者の安全を確保できる可能性もある。

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 その一例を紹介しよう。中国のモバイルインターネット企業、Cheetah Mobileが出資する人工知能(AI)ロボットメーカーの猟戸星空(ORION STAR)は、予備診断と治療、医療情報の一次開示、病院内の一定の場所への医療用品の配達を支援できるロボットを中国に配備した。Cheetah Mobileから寄贈されたこれらのロボットは、北京大学首鋼医院や北京市海淀医院、武漢火神山医院、鄭州の小湯山医院などの中国の病院に配備されている。

 ロボットを活用するORION STARの伝染病予防および制御プログラムの狙いは、ロボットを用いて、事前診断や住居の検査、配達といった、単純だが労働集約的な多くの処理タスクを実行することで、医療スタッフの作業負荷を軽減し、感染のリスクを下げることにある。これらのロボットは、人間の指示に従って、体温測定などさまざまな健康のバロメーターに関するデータや写真、動画を収集、保存、および送信できるように設計されている。医療スタッフはロボットを使用して、遠隔でコミュニケーションをとり、定期検査を実施できるようになる。これにより、時間を節約できるだけでなく、医療従事者を危険から守れる可能性もある。

 「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の発生以来、われわれは、医療関係者の不足や交差感染から生じる緊張を和らげることを期待して、病院でさまざまな感染症対策製品の使用を開始している」。Cheetah Mobileの最高経営責任者(CEO)兼会長のFu Sheng氏は、そう説明する。

 ORION STARの医療ロボットには、AIロボット用のOSが搭載されている。このOSにより、自然な音声でのコミュニケーションや顔認識、病院のナビゲーションなど、病院環境に適したいくつかの機能をロボットが利用できるようになっている。

 デンマークの企業UVD Robotsは、厳しい渡航制限を乗り越えて、消毒ロボットを中国の病院に届けた。Cheetah Mobileのデバイスと同じように、これらの消毒ロボットも、人間のオペレーターによる指示が可能で、人間のスタッフをリスクにさらすおそれのある重要な病院の機能を自律的に完了させることができる。UVD Robotsのロボットの場合、あらかじめ決められたタスクは物理的な空間を消毒することだ。

 パンデミックを受けて、全世界の医療制度の脆弱さが次々に露呈する中で、ロボットは、スタッフを有効に活用し、コロナウイルスなどの伝染病への感染リスクを最小限に抑えるツールとして支持を集めている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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