PCなどのデバイスに文字や図形の情報を入力する手段として、スタイラスがよく使われる。ペンや鉛筆を使うのと同じ感覚で入力できるため、直感的に扱えて便利だ。ただし、スタイラスの動きを捉えるために、ペンタブレットやタッチパネル付き画面など、ペンが触れたことを検知可能な表面を持つ専用デバイスが必要になる。
これに対しAppleは、タッチセンサーのない物体表面で入力できるペン型デバイス技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間4月7日に「CONTENT CREATION USING ELECTRONIC INPUT DEVICE ON NON-ELECTRONIC SURFACES」(特許番号「US 10,613,666 B2」)として登録された。出願日は2017年7月14日、公開日は2018年1月18日(公開特許番号「US 2018/0018057 A1」)。
この特許は、何らかの形状データを入力する電子デバイスにおいて、テーブルの天板など、タッチセンサーのない物の表面で入力操作する技術を説明したもの。請求項(クレーム)では入力デバイスの種類を限定していないが、実施例などではスタイラスのようなペン型デバイスを想定してる。
入力デバイスは、加えられた力を認識するセンサーを搭載しており、テーブルなどに接触したかどうか検知可能だ。接触している場合は、PCやタブレットといったホストデバイスとのあいだで通信し、三角測量の原理を適用し、位置や動きのデータを取得する。三角測量は、入力デバイスから電波や音波を発信し、それをホストデバイス側に設ける受信機で受けて実行する。また、ホストデバイス側のカメラで得た画像を解析し、ペンの位置を算出する方法にも言及している。
このデータを処理すれば、テーブルや紙の上でもスタイラスなどで文字や図形が入力できる。立体的な物体の表面をなぞると、3Dオブジェクトのデータも直感的に入力可能だ。
ホストデバイスとしては、PC、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、メディアプレーヤーなどが考えられる。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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