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新型コロナウイルス関連

シャープ戴社長「“社員の健康”と“会社の業績”を守る」--マスクは欧米、中国でも生産へ

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 シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏は4月1日、社内イントラネットを通じ、社員に対してメッセージを発信した。

 タイトルは「2020年度のスタートにあたって」とし、感染が拡大している新型コロナウイルスに関する内容を中心としながら、社員の健康を気遣った。

シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏
シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏

 戴会長兼社長は「2019年度は、米中貿易摩擦の長期化や、新型コロナウイルスの影響など、非常に厳しい1年となった。当面、この厳しい事業環境は継続すると思われるが、新年度を迎え、気持ちも新たに全社一丸となって頑張ろう」と呼びかけた。今回のメッセージの最初のテーマとして取り上げたのが、「“社員の健康”と“会社の業績”を守る」と題した内容だ。

 「1月末以降、新型コロナウイルスの感染者数が世界各国で拡大しており、米州や欧州、アジアの国々で非常事態宣言がなされるなど、世界中で人々の健康が脅かされ、世界経済が急減速する非常に厳しい状況に陥っている。日本でも、東京や大阪を中心に感染者数が日に日に増加しており、東京オリンピックの延期、さまざまな活動の自粛が求められるなど、予断を許さない状況にある」と前置きした。

 「当社としては、まず何よりも“社員の健康”を守ることが第一であると考えており、感染拡大に合わせて随時、海外出張の自粛や、これまでにも存在した時差勤務やフレックス制度をより使いやすいよう、弾力的に柔軟性を持たせた弾性勤務、在宅勤務の活用など、対策の基本的な考え方を社内に徹底してきた。一方で、企業経営を行う上では、業績への影響を最少化するとともに、他社に先駆け成長へと舵が切れるようにすること、すなわち“会社の業績”を守ることも欠かせない。当然のことながら、これは社員の生活を守ることにもつながる。“社員の健康”と“会社の業績”をしっかりと両立するためには、全社一律の対策を待つのではなく、各事業および各国の責任者がオーナーシップを発揮することが大切である。高い当事者意識と責任感を発揮し、事業の実態に合わせた、きめ細かな対応を取ることが不可欠である」とした。

 また、「自らの事業の特性や状況」、「各地域における政府の方針」、「社員の業務の内容や就労環境」などを分析し、各責任者の指揮のもと、弾性勤務や在宅勤務、居室の分散や席ごとの仕切りの設置、テレビ会議の活用や感染防止対策を行った上での最低限の出張など、さまざまな対策を、実情に合わせて実施していくことを要請した。また、今後も状況の変化に合わせて、鴻海で導入している「従業員の日々の健康状態と工場入門時の顔認証システムを連動させた“防疫健康管理システム”」などの打ち手も検討したいと述べた。

 戴会長兼社長は、「今回のような危機的状況における対応の差は、将来の競争力の差として必ず現れる。今後も、常に最新の情報を収集するとともに、各リーダーが組織をしっかりと牽引し、この難局を乗り切ろう」と語った。

 2つめのテーマは、「新規事業の創出」である。戴会長兼社長は、「当社はグローバル企業として、世の中のためになることを、しっかりと行い、日頃の恩に報いたいという考えから、日本政府の要請を受け、2月28日にマスクの生産を決定し、3月24日から三重工場(多気)で、生産を開始した」と報告。「マスクは社会貢献を目的に、生産を開始したが、これは、長期にわたって継続できる事業にもなると考えている。すでに、日本に次いで、米国においてもマスクの生産を立上げた。さらに欧州やインド、中国においても近々生産開始できる見通しである」とした。現時点では、マスク事業が、シャープにとって長期的に継続できる事業になるかは定かではないようだが、その方向を模索することになる。

三重工場(多気)で、マスクの生産を開始。3月31日に出荷した
三重工場(多気)で、マスクの生産を開始。3月31日に出荷した

 また、シャープが進めている「4象限経営」の実践を通じて、新規事業の創出に取り組んでいることを示しながら、「マスクは、異業種分野において、極めて速いスピードで、生産を立ち上げた一例となる。今後、マスクに留まらず、健康関連分野へと事業の幅を広げていきたいと考えている」と述べた。

 なお、4象限経営とは、永続的なトランスフォーメーションに向けて、既存事業を「商品・サービス」軸、「顧客・マーケット」軸で、広げていくことを指す。

4象限のイメージ図
4象限のイメージ図

新入社員は236人、入社式は事業所ごとにテレビ会議で実施

 最後に、4月1日に行った入社式に触れ、「堺本社に236名の新入社員を迎え、入社式を開催する予定であったが、2020年は、新型コロナウイルス対策の一環として、配属先の各事業所に分散して、テレビ会議で実施した。残念ながら、新入社員が一堂に会することはできなかったが、同期のメンバーと互いに協力し合うとともに、切磋琢磨し、1日も早く会社に慣れるように頑張ってほしい」とした。

新入社員数は全体で236名になるという
新入社員数は全体で236名になるという

 入社式は、4月1日9時30分から行われ、堺、八尾、天理、大和郡山、福山、東広島、仙台、名古屋、福岡の9拠点を接続。さらに、ウェブ配信による在宅での視聴も可能とした。

 新入社員236人の内訳は、シャープが167人、関連会社が69人。また、技術系が140人(男性126人、女性14人)、ビジネス系が27人(男性14人、女性13人)となった。

 入社式では、シャープの代表取締役兼副社長執行役員の野村勝明氏がビデオメッセージを贈り、「新型コロナウイルスの影響もあり、各拠点に分かれての開催となったが、新たな仲間を迎えることができ、嬉しく思う」と挨拶。「3つのキーワードを伝えるので、念頭に置きながら、この後の新入社員研修に臨み、しっかり社会人としての基本を身につけるとともに、当社の理解を醸成して貰いたい」と述べた。

 3つのキーワードは、「社会に貢献し、信頼される企業を目指す」という創業者である早川徳次氏の経営の考え方を示した「経営理念・経営信条」。シャープのトランスフォーメーションの軸となる事業ビジョン「8K+5GとAIoTで世界を変える」。そして、全社が一致団結して取り組むことで、事業間連携によるシナジー創出、全社の経営資源の有効活用による経営効率化を実現する「One SHARP」である。

 「ここにいる皆さんが、シャープを、いま以上に世界に誇れる会社へと成長させるためには、必要不可欠な人材であると確信している。一日も早く、次の100年に向けた飛躍的な事業拡大の一翼を担える人材となって活躍することを期待している。これから一緒に新しいシャープを作っていこう!」と述べた。入社式では、その後、参加者全員で経営理念、経営信条を唱和した。

堺会場での入社式の様子
堺会場での入社式の様子
テレビ会議を使い9拠点をつないだ
テレビ会議を使い9拠点をつないだ

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