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VR空間の施設「V-RAGE」の狙い--eスポーツにおける中継観戦とリアル会場の架け橋に

佐藤和也 (編集部)2020年03月18日 07時20分
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 eスポーツイベント「RAGE」による、バーチャル空間のなかでeスポーツ観戦やイベント体験ができる「V-RAGE」ベータ版が3月15日に開設。実際に体験するとともに、開発の経緯などを聞いた。

VR空間でのeスポーツ観戦が味わえる「V-RAGE」
VR空間でのeスポーツ観戦が味わえる「V-RAGE」

 RAGEは、CyberZが手掛けるeスポーツイベントとして2015年から展開を開始。現在はCyberZ、エイベックス・エンタテインメント、テレビ朝日の3社による協業で運営している。今回のV-RAGEは、3月15日に開催された「RAGE Shadowverse 2020 Spring GRAND FINALS powered by SHARP」にあわせて開設された。

 クラスターのバーチャルイベントプラットフォーム「cluster」を活用し、これまでオフラインで開催してきたRAGEを、バーチャル空間で体験できるもの。「Oculus Rift」や「HTC VIVE」などのVRデバイスを利用することにより、臨場感のある観戦体験が味わえるほか、スマートフォンからもV-RAGEの施設に入ることができるようになっていた。

VRデバイスを使ってV-RAGEを体験
VRデバイスを使ってV-RAGEを体験
スマートフォンでの画面。キャプチャーし、SNSへの投稿もできるようになっている
スマートフォンでの画面。キャプチャーし、SNSへの投稿もできるようになっている

 利用者はアバターを操作し、V-RAGEの施設を自由に歩き回ることが可能。施設の外観を眺めることができるほか、施設内のロビーではRAGEの歴史一覧のボードを掲載。また、過去の大会の映像なども上映されていた。

「V-RAGE」施設外観
V-RAGE施設外観
V-RAGEのロビー
V-RAGEのロビー

 メイン会場であるステージは、試合を映し出すモニターに観客がぐるっと囲む形で設置。利用者側も、拍手をしたりサイリウムを振ったりと、さまざまなエモーションが利用可能で、盛り上がることや、それを相手に伝えることもできる。

メイン会場の様子。周囲の壁にはコメントも流れていた
メイン会場の様子。周囲の壁にはコメントも流れていた

 また今回のV-RAGEでは、コメディアンのミルクボーイが3Dキャラとして登場し、オリジナルネタを披露する試みがあり、2人が巨大化するなどバーチャル空間ならではの演出も行われた。

V-RAGEは中継での観戦とリアル会場の間にある架け橋

 clusterは、VR空間でイベントスペースを提供するサービスとして、2017年5月から正式サービスを開始。他のユーザーを招いてのイベントやミーティングなどが可能となっており、近年ではVTuberと呼ばれるバーチャルタレントによるライブイベントなども行われている。クラスター 執行役員 エンタープライズ事業部部長の成田暁彦氏によれば、V-RAGEの取り組みは、VR空間におけるeスポーツ観戦という、イベントスペース活用の新たな提示になるという。

 当初、RAGE Shadowverse 2020 Spring GRAND FINALSはリアルイベントとして行われる予定で、V-RAGEはサテライト会場という位置づけで開発が進められていたというが、本大会は国内における新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を鑑み、無観客試合として実施。このことにより、V-RAGEは本会場の雰囲気を味わえるものへと急遽変更して作られたという。またclusterにおけるスマホアプリの対応は、3月5日にリリースされたばかりであり、本格的な大型イベント活用はこのV-RAGEが初めてとしている。

 V-RAGEでは、たとえば会場内の結果にあわせて花火を打ち上げたり火柱を上げるといった、現実では実現が難しい、あるいは制限のある演出も行えることや、ロビーに設置している展示物も作成や撤収などにかかわるコストが低減されるメリットがあると説明。また、V-RAGEの特徴としては、URLを共有すると3人まで一緒に見ることができるグループミーティング機能を導入し、友だちと観戦する体験をV-RAGEでも味わえるようにしているという。そのほか、熱くなりがちな観戦時のコメントに対しての制限機能も新たに取り入れたとしている。

 成田氏は、このV-RAGEはリアルを代替するものではなく、動画配信による中継での観戦とリアルでの観戦の間にある、架け橋のような存在という。「リアルな会場で味わえる空気感や熱量、直接会えることのメリットはかなり高いもの。V-RAGEでは、できるだけフィジカル体験に近いものを提供し、フィジカル体験を超える演出をバーチャルで味わってもらう。なかなか現地に行けない、eスポーツイベントを見たことがないという方により興味を持ってもらい、結果として会場へと足を運んでもらう、その橋渡しの役目ができることが目標」と語った。

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